29日に行われる自民党総裁選の投開票まで、残すところあと数日。岸田文雄前政調会長(64)、河野太郎行政改革担当相(58)、高市早苗前総務相(60)、野田聖子幹事長代行(61)の4候補は連日メディアに登場、存在感アピールに余念がない。
そんな中、政策論争もさることながら、経歴や趣味のユニークさで他の3候補を引き離し、メディアにクローズアップされているのが高市氏だ。
高市氏は、多くの人材を政界に送り出してきた「松下政経塾」出身で、民放キャスターを経て平成5年に無所属で初当選。その後に自民党入りしたが、
「若い頃からオートバイに車、さらに音楽と趣味も多彩で、神戸大学時代には軽音楽部に所属。ヘビィメタルバンドを組みドラマーとして活動。そのパワフルなドラミングは先輩たちからも一目置かれる存在で、一時期はプロを目標にしていたこともあったそうです」(政治ジャーナリスト)
昨今の会見でも「総裁選に勝利したらドラムで1曲演奏してほしい」という記者からの無茶ぶりにも「(大ファンであるX JAPANの曲は)難しすぎるので、無理ですけど、(ディープ・パープルの)『BURN』なら。昔より腕は落ちていると思いますけど、メタルはいけると思いますよ。昔はめちゃくちゃ(叩くスピードも)速かったですよ」と大真面目に答えていた。現在も議員宿舎に電子ドラムを置き、「音漏れしないように」ガンガン叩いて、ストレス解消しているのだという。
そんな高市氏が影響を受けたバンドは、ブラックサバスをはじめ、アイアンメイデン、ジューダスプリースト、スコーピオンズなど、いずれもメタルファンなら誰もが知るビッグネームだが、一方、ヘビィメタルはその怪奇的なイメージから悪魔崇拝や黒魔術と結び付けられることが多く、音楽ライターによれば、
「ブラックサバスは、64年に公開されたホラー映画『BLACK SABBATH』(邦題『ブラック・サバス/恐怖!三つの顔』)から命名されたバンドで、その悪魔的ギターリフからヘビメタの元祖とも言われていますが、ボーカリストのオジー・オズボーンは、ライブ中に観客が投げたコウモリの死体を食いちぎって救急車で病院に運ばれたり、ギタリストのトニー・アイオミもアメリカ・ツアーの最中、刃物を持った悪魔崇拝の狂信者に襲われるなど、かなりヤバいバンドとしても有名」なのだという。
そして、高市氏が大学時代に「彼らがデビューしたとき、本当にうらやましかった」と羨望の眼差しを送ったのが、デーモン閣下率いる「聖飢魔Ⅱ」だったのだとか。
前出の政治ジャーナリストが語る。
「デーモン閣下は17年に、総務省による『電波利用環境保護周知啓発強化期間』のイメージキャラクターに就任したのですが、実は彼にオファーしたのが、当時の総務大臣だった高市氏なんです。2人は6月1日にZepp Tokyoで行われた記者会見に同席。デーモン閣下が『今日のライブで大臣にドラムを叩いてもらおうと思っていたが、いろんなところから「やめてくれ」と言われて……、次は是非「Burn」を!』と話すと、高市氏も満面の笑みで返していましたからね。年を経ても、ヘビメタへの想いはいまだ冷めやらず、といったところのようです」
高市氏によれば、APEC(アジア太平洋経済協力)の会合に参加した際には「メタルの話に乗ってくるのは英米の方が多かった」そうなので、あるいは、首相になった暁には是非メタル外交の実現を期待したいものだ。
(灯倫太郎)