現場は宮崎県都城市にあるゴミ屋敷。自転車や機械部品の類が一軒家を覆うように積み上げられ、公道を侵食。特に2階部分にまでおよぶ無数の自転車は、いつ崩れ落ちて歩行者にケガを負わせてもおかしくない状況だが…。
「すいません、ごめんください」
リポーターが声をかけると、ゴミ屋敷の住人はカメラの存在に気付いたのか、「何やってんだよ!」と激高。
「フジテレビの者なんですけれども…」と呼びかけるものの「余計なことすんな!」と大激怒して全く取り合わない様子の住人。顔部分にはボカシがかかっているが、敵意をむき出しにしているのがわかる。
「どうして…これって…」「帰れ!そしたら!」「どうしてこんなふうに積み上げられているんですか?」「んだてめぇは!帰れ!」といったやり取りが行われても、なお食い下がるリポーター。
「どうして積み上げているのかだけ、お聞きしてもいいですか?」
こう語りかけるも、背をむけて歩き出す住人。リポーターはその背中に黙ってマイクを向け続けていたが、次の瞬間、住人男性はガレキ部分の山から金属棒のようなものを取り出し、「殺されたいのか、お前」と威嚇。殺意をあらわに詰め寄ってくる住人の剣幕に、リポーターは「いや殺されたく…そういうのやめてください」と後ずさりしていった。
衝撃的なVTRが流れたのは9月14日放送の「めざまし8」(フジテレビ系)。一軒家の周囲を無数の自転車や家電製品が取り囲み、梯子や脚立がかけられた異様な外観だ。
「めざまし8」の独自取材によれば、ゴミ屋敷の荷物が道路のおよそ4分の1を覆い隠しているため、自動車の脱輪事故なども発生したという。また、これから台風のシーズンを迎えるにあたって、いつ崩落してもおかしくない状況に「非常に怖いです」という近所の人の声も紹介している。
「番組のVTRによればゴミ屋敷の主は普通のおじちゃんで、家の前で車が脱輪事故を起こした際も側溝から引き上げるのを手伝ってくれたそう。市の担当者も10年以上前から対応し、住人と一緒に撤去するものの、その後、またゴミが増えて撤去の繰り返し。近日中にも荷物を片づける段取りをしていたそうです。番組では住人への直撃シーンがコーナーの前後2回にわたって放送されましたが、『明日片づける』と答えているにもかかわらず、リポーターがしつこく食い下がったことで、『殺されたいのか』というセリフと暴行一歩手前の威嚇シーンにつながったのは明らか。これをインパクトある映像を撮るための“挑発行為”と受け止めた視聴者は少なくなかったようです」(テレビ誌ライター)
実際にネット上では《明らかに怒らせようとしている。マッチポンプか》《アポ無しであんなにしつこく食い下がったらキレるだろ》と取材姿勢に疑問を呈する声も見られた。VTRが流れた後にはMCの谷原章介が「防災面、衛生面、心配でしょうね」と近所の人を気遣ったが、報道陣の安全のためにも、行き過ぎた直撃取材は自重してもらいたいものだ。