ダルビッシュ有と大谷翔平の直接対決はお預けに。その直接対決が実現しなかった9月8日(現地時間)のパドレス対エンゼルス戦の試合後、ダルビッシュは日本の中継局の取材に応じ、意味深なコメントを発していた。
「全部真っ直ぐで行く準備はできていたんですけど(笑)。出てこなかったので、ちょっと拍子抜けしました」
同日はDH制が使えないため、大谷はスタメン落ちとなった。リフレッシュ休暇だが、「全部真っ直ぐで攻める」としたダルビッシュのコメントを巡って、単なるジョークではなく、「彼の投球論の一端だったのでは?」と、米国メディアの間で話題になっているそうだ。
「ダルは投球の7、8割が変化球です。真っ直ぐ一本なんてあり得ません。『オールストレート発言』がジョークだとしても、日本のメディアはそれに気づいていませんでしたが」(米国人ライター)
ジョークとして片づけられなかったのにはワケがある。投球における変化球の割合の多さはもちろんだが、昨季からダルビッシュの投げる変化球は「カットボールの割合」が増えている。しかも、そのカットボールに関して、「真っ直ぐ落ちる」と称されることもあり、
「ダルビッシュの言った真っ直ぐはカットボールのことではないか?」
と”深読み”する声もあるそうだ。
「ダルビッシュは8種類か、9種類の変化球を投げていると米国では解釈されています。持ち球の一つであるカーブを、『イミテーション』という言葉に置き換えて話すこともありました」(同前)
直訳すれば、偽装。相手バッターのウラをかくのに最適なボールという意味か…。
「大谷がホームランを打ったボールは、やはり直球が多いんです」(スポーツ紙記者)
大谷のホームラン王争いを指して、「オールストレート」と発言したのか、それとも、次回の直接対決に向け、「次回は変化球を使う」という意味で言ったのか。
米国メディアはダルビッシュと大谷が同じ日本ハムファイターズの出身で、大谷がダルビッシュの付けていた「背番号11」を継承したことも知っている。2人のショットを撮りまくっていたので、「オールストレート発言」の謎解きは、直接対決を本当に見たかったという思い、ガッカリ感の表れでもあるようだ。
(スポーツライター・飯山満)