重鎮ラッパーZeebraらの謝罪にも繋がった、8月29日に愛知県常滑市で行われた国内最大級のヒップホップ野外フェス「NAMIMONOGATARI2021」。
結果的に自治体の酒類販売自粛要請も無視、感染対策などがずさんなまま約8000人の観客が入り乱れるイベント風景が拡散されると、世間から猛批判。開催地の常滑市長や愛知県知事からも抗議を受け、主催者と出演者は針のむしろ状態に。Zeebraら出演者が反省コメントを出し、主催者も経緯説明と謝罪文を発表しても、世間の風当たりは強いままだったのだが…。
そんな中、「これこそが本当の反省」と一気に称賛を集めたのが、38歳のベテランラッパーCIMBAだ。CIMBAは9月2日、自身のインスタグラムを更新。「NAMIMONOGATARI2021」に出演したことを詫び、「協議を重ねた結果、出演料とグッズの売り上げ金を『あいち医療応援基金』に全額寄付させて頂きます。(現在申し込み申請中です。) また緊急事態宣言中の全てのライブ出演をキャンセルさせて頂くことも決定致しました」との文章を掲載。これには、CIMBAを知らない人からも様々な声が上がったとか。
「Zeebraさんなどが謝罪文を出した時にはまだ何もアクションを見せてはいませんでしたが、コメントにもあったように協議していたんでしょうね。そして、まだ誰もがしていない出演料とグッズ販売の売り上げを全額医療関係に寄付。さらに緊急事態宣言中のライブ自粛を表明。後者は、まあ当たり前という見方もできますが、出演料などの全額寄付はライブ活動もままならない状況の中でかなりの痛手だと思います。イベントに参加したのもそれが目的のひとつでもありますからね。ですから余計に、考えに考え抜いた決断なんだろうという印象です」(エンタメ誌ライター)
SNS上では「売名行為」という批判もところどころに見受けられるものの、他の出演者や主催者が謝罪と経緯説明だけでそれ以上の行動をしていないことから、「政治家とかも謝るだけで終わらすけど、CIMBAさんは言葉より行動で示したのが立派」「今の時点でできる最大限のことをしてると思う」「これがほんとの反省」「真摯な対応に感動しました」など、多くの人が称賛している。
今回のイベント強行とその内容で、野外イベントに対する風当たりは強まり、国内ヒップホップアーティストのイメージダウンにも繋がっているとか。CIMBAは最後に「今回現場での状況判断が出来ずに大変な迷惑をかけてしまった事を反省しています。また音楽で人を楽しませられるように改めて頑張っていきたいと思っています。この度は申し訳ありませんでした」と潔くコメント。今回の彼の行動が、ヒップホップの汚名返上に繋がることをファンは祈っている。
(塚田ちひろ)