国内最大級の野外音楽フェスである「FUJI ROCK FESTIVAL ’21」(以下フジロック)が新潟県湯沢町で8月20~22日の3日間開催された。主催者は入場者数を例年の半数以下に制限し、マスクの常時着用、ソーシャルディスタンスの確保など感染対策を徹底し、「コロナ禍で開催する特別なフジロック」を目指すとしていたが、配信された動画や入場者がSNSに投稿した画像などからステージでの密な状況が明らかになり、ネット上では批判の声が殺到している。
「現在、新型コロナウイルスの感染者数が連日のように過去最多を更新し、県境をまたぐ移動の自粛が要請される中、フジロックの会場近くの駐車場には東京や大阪といった緊急事態宣言が発令されている地域のナンバー車も多く見られたようです。また会場内ではステージの前で密になっている観客の姿も確認され、中にはマスクをしていない人もおり、禁止されているはずのアルコールを会場に持ち込み宴会をしているとの目撃ツイートも投稿されたのです」(ネットライター)
こうした状況にネット上では、《YouTubeで観たフジロックの会場の様子、密だしマスク外してる奴居るしこりゃダメだな》などといった批判が殺到しており、《フジロックの密具合に言葉が出ない。今の日本で、これだけ人口密度が高い場所は、ここだけでしょう。五輪に反対していたアーティストも出ていたしどうなってるの?》《五輪批判してるくせに自分たちは大勢の人を集めてライブ。感染したら政府の責任とか矛盾してる》など、東京五輪を批判していたアーティストたちにも怒りの矛先が向かっている。
「特に集中砲火を浴びているのが、『ASIAN KUNG-FU GENERATION』のボーカルで、フジロックには『エセタイマーズ』のメンバーとして出演した後藤正文です。後藤は7月16日に自身のツイッターで『オリンピック地獄だな』と投稿していたことから今回、批判が殺到。21日には『地獄』が『言論やネットスペース』を指していると釈明しているものの、『しっかり食らっています。自分の責任です』として投稿を休むことも表明しており、ファンも困惑しているようです」(前出・ネットライター)
22日、ミュージシャンの西川貴教が自身が主催する「イナズマロックフェス2021」の中止を発表したが、フジロックの影響で他のフェスは開催しづらい状況になったかもしれない。
(小林洋三)