オオタニサンフィーバーの恩恵は本人のみならず。大谷関連のグッズを扱う業者にも特需が起きている。東京と大阪でMLBグッズを販売する「セレクション・インターナショナル」の担当者によれば、
「ここ数週間、大谷選手のTシャツやユニホームはトップセールス商品です。昨年比20倍近くの売り上げで、普段MLBグッズを買わない層からの注文も増えています」
急激な需要増により、一部の人気商品は現地のエンゼルスショップでも品薄状態が続く。そんな過熱気味の状況もあって、DIY精神にあふれた闇ビジネスが横行しているという。
「ECサイトで、球団のオフィシャルグッズを模した海賊版Tシャツを売る業者が現れました。原価数百円の商売なので、コロナで失業したアメリカ人たちが参入しやすかったのでしょう。特に漢字で『大谷翔平』とプリントされたTシャツはかなり出回りました」(在米スポーツライター)
当然、この海賊版パンデミックに球団も見て見ぬ振りとはいかない。公式サイトでファンに注意喚起し、ECサイトへの警告や当局への通報で応戦する。
「そもそも、ロゴや選手の名前を使用したグッズで商売する場合、莫大なライセンス料を球団に支払うルールですからね。業者側も監視の目から逃れるべく、大谷の名前『翔平』のみや黒ぬきのシルエットをプリントしたグレーな商品を販売するようになりました。しばらくイタチごっこが続きましたが、徐々に非合法な販売業者の闇マネー口座を凍結。海賊版Tシャツ販売業者は、グッズ市場からの退場を余儀なくされました」(在米スポーツライター)
市販のグッズでさえ入手困難なのだから、限定グッズとなればプレミア感は推して知るべし。中でもマニアたちの間で爆騰必至と評判なのが、首振り人形である。年に3回程度、球場の来場者先着数千人に無料配布されるものだが、
「エンゼル・スタジアムの場合は、1体ずつシリアル番号が刻印されているから価値が高い。特に大谷の人形は人気で、オークションサイトに50万円ほどの値段で出品されることもしばしば。ただし、生粋のコレクターの間では『ベーブ・ルースのバット級の価値が出るはずだ』と、いずれ億単位の値がつくことを見込んで『寝かせる』ケースも聞こえてきます。ちなみに、19年に先着3万人に配布された、大谷の顔が曼荼羅のようにプリントされたTシャツは、ECサイトで約6万円の値がついています」(在米スポーツライター)
この人気Tシャツは8月に再配布が決定。炎天下をものともせずに、ひと儲けを企むヤカラがスタジアムに殺到しそうな雲行きだ。