【食レポ】てんや「たれづけ大江戸天丼」は“半熟玉子”必須の塩分濃いめ!?

 天丼・天ぷら専門店「天丼てんや」は、6月24日~8月上旬予定で夏季限定となる「たれづけ大江戸天丼」(税込820円、半熟玉子のせ税込890円)の販売をスタートさせた。

 ふわふわな「活〆穴子」、歯ごたえのある「大いか」、定番の「海老」「いんげん」をてんやの甘辛たれにたっぷりとくぐらせた同商品は、2007年から夏の恒例メニューとして提供されている。不勉強ながら実はまだ食べたことがない記者だが、「たれづけ」という魅力的な言葉に惹かれて「たれづけ大江戸天丼」デビューをしてきた。

 カウンター席に座り運ばれてきたのは、見るからにテンションぶち上げの天丼だった。おおぶりな穴子・イカ・海老の天ぷらが、どんぶりにドンドンドンと乗せられ、どの天ぷらもしっかりとタレを吸い込んでいるようで、食欲をそそる色合いになっている。

 半熟玉子は別皿で提供されるので天ぷらの上に落とし、黄身を広げさっそくいただく。まず穴子は、身がとにかく柔らかくてフワッフワ。衣のサクッとした食感とのバランスも良くウマい!…のだが、個人的に思い描いていた「たれづけ」は、たれとだし汁を割ったものに揚げた天ぷらをじっくりと漬け、衣がビタビタにたれを吸いまくったものだと思っていた。

 しかし、天ぷらのサクサク感は全然残っており、単にいつもより“たれ多め”なだけといった具合で、要するに“かなりしょっぱい天丼”に仕上がっている感があるのだ。これだと、半熟玉子は必須アイテムだろう。むしろ、半熟玉子はダブルくらいあった方が食べやすくまろやかになると思う。どんぶりからはみ出るほど大きなイカも歯切れよく非常においしいのだが、やはり淡白な味わいのイカに対してたれだけの塩っ辛さが際立ってしまう。

 夏の定番だから熱中症対策に塩分濃度マシマシにしているのだろうか。でも、さすがに全ての天ぷらがこんなに濃い味だと、むしろ箸が進まなくなってしまわないだろうか…。天ぷら自体のクオリティは値段に対してかなり高いと感じたが、“たれづけ”の意味が想像していたのとは違うという感じで、個人的にはちょっと残念。

(ビートル鈴木)

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