大谷翔平がまたしても判定に泣かされた。日本時間7月1日、敵地で迎えたヤンキース戦に「1番投手」で出場したが、1イニングも持たずに降板となった。3分の2イニング、被安打1、失点7、四死球5。その後、エンゼルスは大谷の打順のところに入れたピッチャーに代打を送るなど大忙しだったが、予想外の展開にはまたしても“審判問題”が絡んでいた。
「大谷の打順のところにリリーフ投手が入り、その後、代打。さらに救援投手を投入しなければならず、指名打者制を解除して臨んだ『リアル二刀流』の弱点も浮き彫りとなりました」(在米ライター)
しかし、今回の判定疑惑には大谷に同情する声も多いという。
敵地・ヤンキースタジアムでの一戦だったため、球場にいた観客の大半は気に留める様子もなかったそうだが、同試合はヤンキースの地元・ニューヨークのケーブルTV局のほか、西海岸に本拠地を置く球団の試合を主に中継している「BSウエスト」でも放送されていた。
「BSウエストの実況アナウンサーは“誤審”を連呼していました。また、画面上にはストライクゾーンの枠が表示されていて、大谷がボールと判定され四球を出したときのVTRでは、みんなその枠をかすめていたんです」(同前)
大谷は5月20、21日も“辛口の判定”を受け、それに不服そうな表情を見せた。その後「投打ともに厳しい判定を受けている」というのが米国ファンの受け止め方だ。
「今回、ジャッジを下したジョン・リブカ球審は『誤審の少ない公平な審判』としてランキングされているのですが…」(現地関係者)
投手・大谷にボークを宣告した(6月12日/現地時間)ウィル・リトル審判も、名アンパイアとして知られている。2人の名アンパイアに厳しいジャッジをされたということは、やはり、審判に”目をつけられている”のだろうか。
「誤審の少ない審判をランキング化したボストン大学の研究チームによると、勤続年数の長い審判に誤審が多いとの傾向もあるそうです。キャリアが長くなれば当然のことかもしれません」(同前)
今回のリブカ球審が「誤審の少ない審判」として2位にランクインした2018年はキャリア3年弱だった。今季で6年目を迎える。目下、メジャーリーグでは際どい、ビミョ~なコースに投じられた投球を捕手がキャッチングで誤魔化す”フレーミング”も定着した。そのため、「クサイところに来たら、疑ってかかれ」という考え方も浸透しており、大谷もその犠牲になったのかもしれない。
ヤンキースの地元紙「ニューズデー」によれば、大谷は降板するとき、リブカ球審に「サンキュー」と伝えていたそうだ。しばらくの間、二刀流は誤審問題とも戦わなければならないようだ。
(スポーツライター・飯山満)