「てんや」またも値上げで天丼560円に…それでも「擁護」の声が相次ぐワケ

 ロイヤルフードサービスは11月22日、展開する天丼チェーン「天丼てんや」において12月22日から価格を改定すると発表した。同チェーンは今年6月にも値上げを実施しており、「天丼」はこの半年で実に60円の値上げとなる。

「同社によると、値上げするのは全84品中34品で、それぞれ10〜60円の値上げとなります。要因については、急激な円安やエネルギーコスト、物流費などの上昇、特に原材料価格の高騰だという。定番メニューの天丼は今年6月に30円値上げしていましたが、再び30円値上げされることとなります」(フードジャーナリスト)

 この度重なる値上げにネット上では《もう外食は食べられる人だけが食べるものになってきてる》といった悲観的な声がある一方、《半年で2回の値上げと言っても、それまでワンコインで天丼が食べられたこと自体が異常なこと》《牛丼も今では450円。560円で天丼が食べられるなら安いものだろう》など擁護の声も多く見られる。

「『てんや』は1989年に創業者の岩下善夫氏が東京駅八重洲地下街に1号店をオープン。天丼一杯1000〜2000円は当たり前だった時代にオートフライヤーを導入してワンコインで提供したところ大きな話題となり、あっという間に連日長蛇の列が出来る人気店となりました。2001年には当初の目標だった100店舗の開業を達成しますが、『時代が変わっても可能な限りワンコインを続けたい』と、天丼一杯500円を維持。18年には一時540円に値上げしたものの、20年5月には再びワンコインに値下げしています。そうした意地も垣間見えるからこそ、60円の値上げにも支持する声が相次いでいるのでしょう」(前出・フードジャーナリスト)

 むしろその企業努力は称賛されるべきだろう。

(小林洋三)

ビジネス