影武者説も飛び出した!金正恩氏「激やせ」報道の真相

「痩せたのか健康不安なのか…時計バンドの調整から分かる金正恩氏の秘密」(6/10 中央日報)

「金正恩氏、大幅な体重減か 1カ月ぶり登場、各国注視」(6/10 共同通信)

「金正恩総書記、痩せた? 時計ベルト比較、手首細く サイト指摘」(6/10 毎日新聞)

 これらは、いずれも北朝鮮専門サイト「NKニュース」が8日に報じた、金正恩朝鮮労働党総書記の容姿の変化を伝えた、要約記事のタイトルである。

「NKニュース」の記事によれば、4日に労働党政治局会議を開いた金総書記はスイスの高級腕時計を左手首に着用していたが、その時計バンドの余り部分が、昨年11月の会議のときよりも長くなっており、朝鮮中央テレビが公開した映像でも、金総書記の体が全体的にややほっそりした印象だったことから、写真や映像を再確認。結果、総書記には痩せた可能性があると報じたのだ。

 北朝鮮問題に詳しいジャーナリストが語る。

「金総書記が常に身に着けているとされるこの腕時計は、スイスの高級時計メーカー、IWCシャフハウゼン製で価格は1万2000ドル(約130万円)。『NKニュース』が伝えるように、たしかに過去数カ月の写真で時計ベルトの余り部分と比較すると、穴の位置が変わっていることが確認できます。韓国の情報機関である国家情報院によれば、総書記の体重は推定140キロで、2011年に最高権力者の地位に就いて以来、約50キロ太ったとの情報もありましたからね。金一族は代々心臓病に悩まされたという経緯もあり、あるいは健康のためにダイエットを、と考えたのかもしれませんが、健康状態はいわば日米韓の情報当局が注目する主要情報の一つ。そのため、健康に問題があるのか、意図的な減量なのかはは別として、仮に痩せたとしても、公表することはない。ま、本人のみぞ知るといったところでしょうね」

 とはいえ、韓国ではメディアがこぞって、この問題を取りあげたことで、10日には韓国統一部の当局者が、金総書記の健康状態を尋ねる報道陣に対し「公開活動の報道などを注視しているが、健康異常などについて申し上げる事案はない」と異例のコメントを発表し、報道に釘をさす騒ぎとなった。

 前出のジャーナリストが続ける。

「実は、昨年4月にも金総書記が、金日成主席の生誕記念日である『太陽節』の記念参拝を行わず23日間も姿を見せなかったことで、韓国内では金総書記の死亡説が流れたこともあります。結局、5月に入り、再び公の席に姿を見せたことで死亡説は収まりましたが、あの体型からして、かなりの肥満であることは明白。そのため、韓国のSNS上では《手首がセンチ単位で細くなるなんて悪い病気かも?》《腕時計そのものが違うんじゃない?総書記なんだから時計なんてすごい数を持っているでしょ》という意見から、《目の位置が若干外より。しかも先頭切って、シャキシャキと歩いている。足を引き摺ってない。別人では?》《どう見ても別人!ありゃ、間違いなく影武者だな!》といったコメントも多く、ちょっとした大喜利状態になっているようです」

 正直、北朝鮮から配信される映像や写真は、撮影時期があいまいなものもあり、その映像や写真がその時、その場所で撮影されたかどうかは不明な場合も多い。はたして今回の写真と映像の裏にある真実とは……。

(灯倫太郎)

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