「電動キックボード」シェアサービスが開始、”総ウーバー状態“を懸念する声も

 次世代の乗り物として注目されている「電動キックボード」。そのシェアサービスが5月20日から大阪でスタートした。運営するのは、小型電動アシスト自転車シェアサービス「LUUP」。

同社は4月2日から、大阪の梅田や難波・天王寺などで約100箇所のポート(置き場)で、小型電動アシスト自転車のシェアサービスを行っているが、うち7ポートで電動キックボードの実証実験としてシェアサービスを開始。安全性の段階的な検証が進み次第、夏にはポートの追加、台数倍増を計画しているという。 在版の情報誌ライターが語る。

「電動キックボードとはいえ、公道を走るとなれば道路交通法では原付と同様の扱いになるため、ヘッドライトや、ブレーキランプといった標準装備に加え、ミラーや警報機などの取り付け、さらにナンバーを申請するなどの手続きが必要になります。ただ、『LUUP』は、『新事業特例制度』の認可を受けていることから、道交法上の扱いが『小型特殊自動車』となり、『ヘルメット着用が任意」』『最高速度は時速15km』と条件がかなり緩和されていますからね。こういったシェアサービスをきっかけに、電動キックボード利用者のすそ野が広がる可能性はあるでしょうね」

「LUUP」による実装実験は今年10月までだが、同社の電動キックボードを利用する場合、まずアプリでの運転免許証を登録、次に走行ルールの確認テストに合格する必要があるが、やはり、ヘルメットの着用が任意、というのは大きなウリのようで、

「韓国では免許やヘルメットが必須になったことで、増え始めていた利用者が急激に減少したと言われていますからね。バイクに乗っている人ならいざしらず、ちょっとコンビニまで、という時にいちいちヘルメットを、となると抵抗を感じる人は少なくないはず。ただ、今回はあくまで特例措置なので、『ヘルメット着用』の有無は実装実験が終わった後、ということになるとされています」(前出のライター)

 昨今では、大手通販サイトや量販店で、多種多様の電動キックボードが容易く手に入れられるようになった。だが、そのことで、電動キックボードによりヒヤッとさせられた、という被害が増え始めたことも事実。そのため、SNS上では、《小回りが利くから電動自転車よりもいい!》《電車に持ち込んで駅から仕事場まで行けるようになる》といった声がある一方、《実際公道を走るとなれば道路端。でも、小石やグレージングが在る道路脇は走れないだろう。怪我するのがオチ》《あんなのに車道を走られちゃ、自動車のドライバーとしては敵わない》と批判的な意見も多く、なかには《カゴがついていないから、みんなで背中にバックを背負うことになるはず。利用者全員がウーバー状態になるなんて怖すぎる〜!》といったコメントも。前出のライターが語る。

「電動キックボードなら、電車移動の際も折りたたんでそのまま載せられるし、自転車のように保管場所も必要ない。ただ、凸凹が多い日本の道路事情に、あのサスペンションなしの小さなタイヤが適応できるかどうか。結局は凸凹を避けるために蛇行したり、歩道に乗り上げて走行する場合もあるはず。そうなったとき、歩行者とトラブルにならないかどうか。正直、まだまだ、クリアしなければいけない問題は山積しているように思いますね」

 安全に正しく適用されることを願うばかりだ。

(灯倫太郎)

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