4月24日、トヨタ自動車が4ドアセダン「マークX」の生産を年内で終了することを発表した。このニュースに車好きから悲しみの声が上がっている。
マークXは初代が04年に登場。09年にフルモデルチェンジし2代目となった。だが、前身のマークⅡを含めれば50年もの歴史を持つモデル。長年にわたってトヨタの屋台骨を支えてきた。
「クラウンとコロナの間を埋めるセダンとしてマークⅡは登場しました。トヨタには車格の明確なヒエラルキーがあり、その中間に位置します。『社長クラウン、部長マークⅡ、係長はカローラに乗る』なんて言われた時代もありました」(自動車ジャーナリスト)
モデルチェンジを重ねるにつれてグレードを上げ、80年に登場した4代目から高級車に分類されるように。バブル経済真っ盛りの88年に登場した6代目は「ハイソカーブーム」を作り出している。
「この代が一番印象に残っているという人も多いのではないでしょうか。『スーパーホワイト』と呼ばれる真っ白なボディが街のいたるところでみられました。なにしろ姉妹車のチェイサー、クレスタとあわせて月に2万台以上が売れました。今では考えられないことです」(前出・自動車ジャーナリスト)
バブル崩壊後、ユーザーの趣味嗜好がセダンからミニバンに移ったこともあって販売台数が減少し04年にマークXとしてリニューアル。それも決定的な打開策とはならず、ついに生産が中止されることとなった。
時代の移り変わりとはいえ、昭和と平成を駆け抜けた名車がひっそりと引退していくのは寂しいかぎりだ。