菓子業界、コロナの大打撃判明でも飛び交う“ステルス値上げ”への批判

 全日本菓子協会が発表した令和2年菓子統計によれば、同年の生産数量、生産金額、小売金額がすべてにおいて前年比6%減となり、同協会が昭和35年に統計を開始して以降、最大の下げ幅となったことが明らかとなった。

「コロナの巣篭もり需要によって、『スナック菓子』や『ビスケット』は生産数量、生産金額、小売金額が前年比増となりましたが、その一方で緊急事態宣言による県外への移動自粛要請やインバウンド需要の急減によって、観光地や百貨店などでのお土産の売り上げがダウン。結果、全体としては統計開始以来となる下げ幅を記録したと見られています」(経済ジャーナリスト)

 しかし、菓子の生産数量、生産金額、小売金額が減少したことについてネット上では、《お菓子業界の方にぜひ考えていただきたいのは、ステルス値上げをやめてほしいということ》《年々少しづつ消費者にわからないように小さくなったり少なくなったりしている》《値上げや内容量減らした実質値上げ。新商品が気になっても値段を見て買わないことが増えた》《内容量減ったのに同じ値段だし、妥当な結果では?》など、実質的な値上げが原因との指摘が相次いでいる。

「価格は据え置きで内容量を減らす実質値上げのことをシュリンクフレーションとい言います。メーカーは商品の内容量を減らすことを公式サイトやSNSで告知こそしていますが、値段やパッケージは変わらないため容量が減っていることに気づかない人も多く、そのため“ステルス値上げ”などと揶揄されているのです。今年に入ってからも総額表示の義務化もあり、様々な菓子がシュリンクフレーションを使った実質値上げをおこなっていて、敏感な消費者からは怒りの声が上がっています」(前出・経済ジャーナリスト)

 確かに、増量した時はパッケージにデカデカと表示するのに、減量した時はホームページやSNSで確認しなければならないというのもフェアではない気がしてしまうが…。

(小林洋三)

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