関連銘柄も活況!松山英樹のマスターズVがゴルフ業界に与えた追い風

 プロゴルファー・松山英樹のマスターズ優勝の快挙が日本に伝えられ、各マスコミはその偉業のほどを伝えているが、株式市場は常に様々な“材料”を探しているもの。4月11日の優勝を受けてさっそく12日の株式市場はゴルフ関連銘柄が活況を呈した。

「ゴルフ場予約などのバリューゴルフが、一時19%高の2020円を、同じくゴルフダイジェスト・オンラインも8.8%上げました。またゴルフシャフトなどの製造・販売のグラファイトデザインは制限値幅いっぱいのストップ高まで上げましたし、松山がゴルフ用品の使用契約を結んでいる住友ゴム工業は4.4%値を上げたりしました」(経済ジャーナリスト)

 ただ、住友ゴムはその後伸び悩み、ゴルフダイジェストに至っては下げる場面もあったので、おそらくはゴルフ関連が上げるのではという思惑買いが先行した結果だったり、一時的なご祝儀上げだったのかもしれない。とはいえここに挙げた銘柄も、一時の爆上げが落ち着いた後も堅調に推移はしているので、号外までが出た快挙のフィーバーはまだ始まったばかり、いずれにせよゴルフ関連業界にとっては追い風に違いない。

 というのも、コロナで大きな打撃を受けた室内型娯楽に対し、キャンプ・ブームに見られるのと事情は同じで、「密」を気にしなくて良いゴルフはこのところ見直しブームにあるからだ。

「コロナの流行初期の心配で、昨年4月にはいったん36%も落ち込んでいたゴルフ場来場者数ですが、コロナとの付き合い方に慣れてきた夏以後はコロナ以前よりも増加に転じています。ゴルフ練習場でも昨年はコロナ前よりも地域によって10〜20%も増え、しかも2〜30代の若い層の伸びが大きくプレイヤーの裾野を広げています。コロナの打撃をモロに食らったアパレルや百貨店の中でも、ゴルフ関連商品は好調と、数少ない光明の1つになっています」(前出・ジャーナリスト)

 というわけで、ゴルフ関連業界にとってコロナは追い風となり、さらに松山の優勝が拍車をかけるというなんとも皮肉な事態になっているのだが、それはそれこれはこれ。こんなご時世だからこそ偉業とゴルフの盛り上がりを素直に喜ぶべきだろう。

(猫間滋)

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