「登録している男女の大半はマジメな出会いなんか期待していません。そもそも結婚に対して、ネガティブなイメージを持っていますからね。まあ、あわよくば理想の女性と再婚も…という期待もありますが、それほど堅苦しくないのが魅力ですかね」
こう話すのは都内の食品メーカーに勤めるAさん(39)。離婚歴アリの彼が1年ほど前に登録したのが「バツイチ専門」を謳うマッチングサイトだった。当初は新たなパートナー候補となる恋人欲しさに登録したのだが、実際にやってみると、“入れ食い”に近い状態だったという。
「大半のマッチングアプリやソレ系のサイトだと、女性の年齢層は20代から40代がメイン。しかしこれがバツイチ専門になると、だいたい40代か50代。たとえ共通の趣味がなくても、ともに『離婚』という一大イベントを経験したので、『慰謝料はどうでした?』『やっぱり結婚より離婚のほうが大変ですよね』なんて苦労話で盛り上がるんですよ。私が会ったバツイチ女性に共通しているのは、ふだんの生活に寂しさを感じている点。だから実際に会ってから打ちとけるまでにそれほど時間がかからない気がします」
そんなAさんがこれまで会ったバツイチ女性は5人ほど。30代のシングルマザーや40代の会社経営者など、職業や経歴はそれぞれ異なるが、印象深いのは50代のエステ店経営者で、ルックスは天海祐希をおとなしくしたような“美魔女”だったという。
「その経営者の女性はバツ2だったのですが、2回とも離婚の原因は“性の不一致”だったそう。いわゆる性レスですね。ホテルのバーで『やっぱりカラダの相性がよくないとね…』なんて話していたら、『じつはホテルの部屋を取ってあるの』と手を握ってきたんです。断る理由もないので、そのままお泊まりしましたよ。それが50代とは思えないボディで、何度も何度も求めてくるものだから、しばらく腰まわりが筋肉痛になりました(笑)。彼女とはそれっきり。きっと自分では物足りなかったんでしょうね」
こう振り返るAさん同様に、「バツイチ専門」のサイトに登録するBさん(50代)はこんな体験談を明かす。
「私が知り合ったのは中学生の娘さんを持つ40代のシングルマザー。彼女とは3回目のデートで一線を越えました。カラダの相性も性格も合うし、ゆくゆくは結婚したいと思っているのですが、彼女のほうが『再婚すると前夫から養育費がもらえなくなる』と言って、大人の関係を続けています。いわば性フレのような都合のいい関係ですね」
こうしたエピソードを聞く限り、再婚とまではいかなくても、それぞれ理想の異性に出会えているようだ。マッチングサービスに詳しいライターによれば、
「バツイチ専門のサイトは比較的新しく、利用者の年齢層が高いこともあって、いわゆる業者やサクラがまだ入りこんでいないのが、マッチ率の高さにつながっているのかもしれません。ただ、こうしたサービスにトラブルはつきもの。結婚詐欺のツールとして悪用したり、ホテルでクレジットカードを盗んだりするような輩が増えているようなので注意が必要です」
バツイチでも気軽に恋愛が楽しめるようになったのも事実だが、そこには危険が潜んでいることも覚悟しておいたほうがよさそうだ。
(平沼エコー)
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