巨人のドライチルーキー・平内龍太投手が一軍に初合流した(4月13日)。しかし、本当の狙いは代わって二軍降格となった桜井俊貴投手のほうにあるようだ。
「桜井は中継ぎでスタートしましたが、二軍では先発として再調整します」(球界関係者)
平内も当初は先発候補として大きな期待を寄せられていた。しかし、変化球を投げる際、投球フォームが微妙に異なるクセがあり、オープン戦では結果を残せず、二軍戦では防御率5・40と苦しんでいる。それでも一軍昇格が決まった理由だが、直近の2試合はリリーフとして登板し、適性を見せていること。ドライチなので「一軍を早く経験させて」となったようだ。
「投球フォームのクセについては、修正されつつあると聞いていますが」(同前)
しかし、今回の昇格には“お披露目”以外の狙いもあった。
同じ13日に合流したジャスティン・スモーク内野手とエリック・テームズ外野手を指して、原辰徳監督は「週明けくらいになるんじゃないかな」と、早期の実戦デビューもほのめかしていた。16日からの二軍戦での試運転をはさむ予定だが、変化球の多い日本球界に適応できるかどうか、未知数だ。メジャーリーグでの実績は十分とはいえ、リスクのともなう抜てきだ。
「開幕ダッシュに失敗し、首位阪神、2位広島を追いかける展開となりました。エース菅野で落とした試合もあり、チームの雰囲気も沈みがちです。要は起爆剤を欲しているんです」(ベテラン記者)
チーム打率2割1分5厘はリーグワースト2位(13日時点)、一発の脅威を秘めたバッターがいきなり2人も加われば、打撃不振の4番・岡本和真の負担も軽減されるかもしれない。
「見方を変えれば、平内、スモーク、テームズがコケたら、次に打つ手はありません。平内は大学3年時に右ヒジにメスを入れており、本来ならリリーフで連投はさせたくないはず。投球フォームの修正ができていると分かったら、先発要員として再調整させると思われます」(同前)
原巨人は、早くも勝負に出たようだ。
(スポーツライター・飯山満)