新年度になって早くも新型コロナの第4波の襲来が叫ばれている。「変異種」となって感染力を高めていくウイルス同様、世にはびこる犯罪も時代によって進化を遂げていくもの。アサ芸はコロナ禍で横行する最新の「便乗犯罪」を一斉検挙! 知らなきゃ騙される最前線の闇手口を緊急公開する。
不要不急の外出を避け、在宅している高齢者がコロナ便乗商法の餌食となっている。
アウトロー事情に詳しい関係者が薄笑いを浮かべて語る。
「なにしろ自粛で家にいるわけだろ。カモにするほうから見れば、いつ電話しても出てくれる上客というわけだよ。マスク、消毒液、コロナ検査などネタはその時その時でコロコロ様変わりすることになる。『助成金を振り込むから』と銀行口座やマイナンバーなんかの個人情報を引き出す手法もあるよ。何よりもコロナが怖い高齢者たちはワラをも摑む思いだから。簡単に騙されるみたいだね」
コロナ禍で観光業界は大打撃を受けたが、その窮状もまた、便乗商法の格好のネタとして使われているという。
「年末に流行ったのが、カニなど魚介類の売りつけ商法。以前に購入した履歴のある顧客に電話で『コロナ禍で地元の観光客が減少して困っている』などと言って無理やり売りつけるんだ。『流通が止まって築地まで運べないので助けてほしい』と泣きつかれれば同情してしまうのが高齢者だからね。2万円の代引き郵便で注文して届いたパックの中身は、細いカニの脚2本と小魚だけ。まさに開けてビックリ玉手箱という話だろ」(アウトロー関係者)
電話による押し売り以外にも、独居老人を狙った悪質な訪問販売がはびこっている。悪徳ビジネスに詳しいジャーナリストの井上トシユキ氏が解説する。
「最近増えているのが、水がらみのコロナ商法です。公団住宅の特定のフロアだけ巡回し、『貯水槽に出たコロナウイルスを除去した』と偽って、清掃代として1万〜3万円程度を徴収するのです。その際、保健所から依頼を受けた代行業者と名乗るものの、決して名刺は渡さない。また、『水道水にコロナが混じった』と浄水器を売りつける便乗商法も横行しているようです」
感染リスクは飛沫の比ではなさそうだが、ありもしないコロナ水で恐怖心を植えつける、相当な悪徳ぶりだ。
「でもな、最近特に流行っているのがワクチン接種詐欺だよ。糖尿病や心臓病など基礎疾患がある高齢者にとって、ワクチンは喉から手が出るほど欲しいからな。『変異株にも有効なワクチンが用意できた』とか適当な話でも、ワクチンが手に入るとなれば財布のヒモはユルくなるんだ」(アウトロー関係者)
昨年4月から今年3月までの間に、国民生活センターに寄せられたコロナ関連の相談件数は7万7564件。そのうち35件はワクチン関連の相談で、昨年末から増える傾向にある。国民生活センターの広報担当者が警鐘を鳴らす。
「接種が始まるタイミングで全国的にトラブルが増えています。『優先的にワクチンが打てる。10万円支払えば後でキャッシュバックされる』というセールストークもあるようで、ワクチンを待ちわびる高齢者はつい誘惑に乗ってしまう。また、電話以外にも携帯のショートメールで、ワクチン接種を餌にフィッシングサイトに誘い込む手口も横行しています。何よりも、ワクチン接種には費用が一切かからないことを知っておくべきです」
世の高齢者はウイルスだけでなく、詐欺電話への免疫も高めてほしい。