五輪切符の池江璃花子選手、感動ヒロインに心配の声があがるワケ

 4月4日、東京五輪代表選考会を兼ねた日本選手権の100mバタフライ決勝で、池江璃花子選手が57秒77で優勝。個人種目での内定条件(57秒10)には届かなかったものの、メドレーリレーの派遣標準記録(57秒92)を上回ったことで、2大会連続の五輪出場を手繰り寄せた。

 白血病を乗り越えての奇跡の五輪切符である。4日夜のニュース番組は当然、池江選手への祝福や感動秘話で埋め尽くされた。女性蔑視発言、聖火リレー開催の是非など、何かとネガティブな話題ばかりが先行してた五輪関連で、久々に誰もが手放しで祝福できるニュースだった。ところが、それでも一筋縄でいかないところが、今回の五輪のやっかいなところで…。

「つらい治療を乗り越え、一般の人には到底想像もつかないほどのメンタルでリハビリと練習をこなしたのでしょう。本当に頭が下がりますし、勇気をもらえるシーンでした。テレビも当日の夜のニュースから翌日のお昼のワイドショーまで、池江選手の感動物語で一色。それほど日本中を明るくする話題だったですが、一部では池江選手がスケープゴートにされるのでは?といった心配の声もあがっているのです」(スポーツライター)

 その代表的なものが、テレビ局の池江選手フィーバーで、五輪開催の是非論がうやむやにされるのでは——という懸念である。スポーツライターが続ける。

「この2日ほどニュース番組やワイドショーを見ていると、池江選手が出場する東京五輪が開催されることが当たり前のような報じ方で、その後に取り上げられるコロナ関連のニュース、変異株や第4波といったワードとの温度差が激しい。いったい番組は五輪開催に期待しているのか憂慮しているのか分からない有様です。なので開催反対派からは、池江選手が開催のシンボルのように見られるという気の毒な状況にもなっていますね」(前出・スポーツライター)

 これで五輪が中止や延期になった場合、池江選手へのダメージを心配する声も少なくないとか。

「池江選手も復帰後は常に『目標は2024年パリ五輪』と語っていました。いちばん冷静なのはご本人のはずで、涙ながらに話していたのは、自分が思った以上に早く努力が実ったことに純粋に感激してのものだと思います」(前出・スポーツライター)

 奇跡の五輪切符が思いもよらぬ波紋を呼んだのも、10代の現役アスリートが白血病に襲われるという衝撃が大きすぎたから。この夏、池江選手からさらに感動をもらうためにも、今度は私たち国民が猛威を振るうコロナ変異株を頑張って克服する番かも?

(飯野さつき)

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