フリマアプリの「メルカリ」と「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが3月17日、「マーケットプレイスの共創に関する覚書」を締結したと発表。悪質な高額転売などを防ぐことを目的に、今後は両社で新商品の商品情報や発売時期が共有されるというが、その効果については疑問の声もあがっている。
メルカリでは、3年連続でユニクロが最も多く出品・購入されたブランドとなっており、昨年はユニクロとファッションデザイナーのジル・サンダー氏のコラボ商品「+J」が買い占めに遭い、3倍以上の価格で高額転売されたことも問題となっていた。3月19日からは「+J」の春夏コレクションが発売されたこともあって、両社は協力し合いながら高額転売などの対策に取り組んでいくと見られている。
ファーストリテイリングは商品情報や商品画像をメルカリに提供することで、店舗に在庫がある商品の高額転売などに注意喚起を促す方針で、商品が手元にない状態での出品や広告画像の二次使用といった利用規約に違反する出品への削除対応をするという。
しかしネット上では、《注意喚起されただけであのハイエナ転売ヤーたちが手を引くとはとても思えない》《もはやメルカリは闇市状態。そもそも注意喚起なんて誰も読まないだろう》《高額転売するアカウントは停止にするとか厳しい対応をしないととてもムリ》など高額転売はなくならないといった意見が相次いでいた。
「規約違反となる出品以外は基本的に注意を呼びかけることしか出来ないので、高額転売に効果があるかと言われれば難しいと言わざるを得ません。そもそも高額転売自体は違法ではないため“定価の何倍以上での取引は禁止”といった規約を作らないことには抑え込むことはできませんからね。しかも、そうした規約を作ったところで、転売ヤーはメルカリ以外のフリマアプリに流れていくだけ。国や業界全体である程度の指針を作る必要はあるでしょう」(経済ジャーナリスト)
今回のメルカリとユニクロの提携も、高額転売の根本的な解決にはならないだろう。
(小林洋三)