毎週土曜夜10時25分から放送しているドキュメントバラエティ番組「ノブナカなんなん?」(テレビ朝日系)が、「ゴールデンSP」としてゴールデンタイムで初放送されたのは3月7日のこと。
これまで、ついつい食べ残してしまう大食いユーチューバーや、地下アイドルにポンと札束を出して出資する超セレブ女性社長など、MCの千鳥ノブが文字通り「なんなん?」と突っ込んでしまうほど個性の強い人たちを紹介してきた同番組。そのグダグダ感は、数多ある素人発掘バラエティのなかでも挑戦的なスタイルで知られていた。
ところが、今回のSPでは初ゴールデンを意識したせいか、番組の雰囲気が一変してしまったという。
「YouTubeで1500万回再生される2歳の歌姫の伸びやかな歌声はノブを感動させ、『養育費を払いたい』と言わしめたほど。祖父の跡を継いで猪猟師になった女性が初めて猟銃を担いで森に入る様子を追いかけるVTRも臨場感たっぷりでした。ゲストの安達祐実も『まさかこの番組で泣けるとは…』と驚き、MCの弘中綾香アナも『ようやく本気出した』とスタッフを誉めていました」(テレビ誌ライター)
しかし、ネット上では「これ本当になんなん?」「求めていたのと違った」「よそゆき感が半端ねえ」「これじゃ普通の番組」など、夜10時台の放送に親しんだファンからは予期せぬ大不評の声が。その一方で「あの番組の二の舞か?」との指摘もあるようで…。
「テレビ朝日では深夜番組だった『家事ヤロウ!!!』が4月の改編でゴールデンタイムに昇格しました。『ノブナカ』もそれに続けと気合いが入ったのでしょう。どの話題も見応えがありましたが、その半面、いつものユルい雰囲気はなくなり、まるで違う番組のようだったのも事実。軸がブレてしまったと言われても仕方ありません。とは言っても、ゴールデンタイムには子どもやお年寄りなどの視聴者が増えることもあり、深夜帯の番組よりも制約がある。ノブといえば、関西ローカルで絶大な人気を誇る千鳥の人気番組『相席食堂』が2月2日にゴールデン枠で放送されましたが、関東地区では6%台とまさかの大コケ。いくら優良コンテンツでも夜11時台と7時台とでは、視聴者もテレビの見方もまったく異なることをいまいち理解できていないのかもしれません」(前出・テレビ誌ライター)
ゴールデンでのレギュラー化を果たすための課題が、今回のSPによって見えてきたようだ。