エンゼルスのスプリングトレーニングで大谷翔平が実戦形式のシート打撃(ライブBP)に登板し、97マイル(約156キロ)をマークしたのは2月24日(日本時間25日)のことだった。日米メディアは「二刀流復活」に太鼓判を押していたが、マウンド上での姿にちょっと違和感があった。右腕の肘周辺に黒いサポーターのようなものを巻いていたのだ。
「今年のスプリングトレーニングから巻き始めたものです。幅3センチくらいの収縮ベルトをグルグル巻きにしています」(米国人ライター)
同日のピッチングでは「黒サポーター」に注目が集まった。利き腕に収縮性のベルトを巻いていたので、「肘周辺の故障がまだ完全に癒えていないのか?」とも思ったが、そうではなかった。この黒いベルトは、「投手・大谷」の強い味方になってくれる“秘密兵器”だという。
「ピッチングの際、腕にどれだけの負荷を掛けているのか、確認しようとしているのです。自身のベストの状態を探るため、今はデータを集めている段階。ベルトはその測量装置なんです」(関係者)
昨シーズン終了後、大谷はシアトルにあるトレーニング施設を訪ねた。そこで重さの異なる何種類かのボールを使いながらのトレーニング法を学び、「負荷の数値化」をすすめられたそうだ。
定期的に血液採取も行っており、それもデータ化し、コンディションの維持に役立てるつもりだという。
「シアトルのトレーニング施設は昨季、サイ・ヤング賞に選ばれたトレバー・バウアーなどの有名投手も顧客に抱えており、オフの間、入り浸りになるメジャーリーガーもいるそうです」(前出・米国人ライター)
また、このスプリングトレーニングで集められた数字は、球団も共有することになっているそうだ。チームドクターも目安となる数字があれば、より明確な体調管理のサポートかできるはず。
大谷の二刀流復活のためには、故障とは無縁の豪腕と科学的サポートが必要のようだ。
(スポーツライター・飯山満)