球速よりも“回復力”に着目、佐々木朗希のプロ初登板が不安視される理由

 初登板よりも重要なことが隠されていた。

 3月6日から本拠地で行われる埼玉西武との2連戦で、ついに佐々木朗希投手がベールを脱ぐと報じられた。2月27日の練習試合後、千葉ロッテの井口資仁監督が今後の投手起用について触れ、そこで佐々木の名前が出たのである。

「開幕戦は3月26日。調整として許された試合数も限られていますし、先発ローテーション入り投手の日程も考えて調整しなければなりません」(ベテラン記者)

 当然、登板させる投手も“一軍戦力”に限られてくる。

「6日なのか、7日になるのかはまだ決まっていないそうです。でも、2番手での登板で1イニングを予定しているそうです」(前出・ベテラン記者)

 佐々木が投げることになれば、二軍戦を含め、初の実戦登板となる。どんな投球を見せてくれるか楽しみだが、一軍戦力として見ているのだろう。

「佐々木がテストされるのはピッチングだけではありません。むしろ、井口監督も『登板後』を心配しているのでは?」(球界関係者)

 そもそも、佐々木がプロ1年目の昨季、実戦登板ゼロに終わったのは、「体力不足」と判断されたからである。先発投手としての責任イニングは投げられる。しかし、翌日以降の回復力が乏しく、通常の先発投手として、「中6日」のサイクルで投げられなかった。また、160キロ超えの剛速球にしても、彼のなかの“制御装置”が壊れておさえが利かなくなったことで「怪我につながったら…」と首脳陣は心配したようだ。

「今年は、佐々木が投げることは井口監督の構想のなかに入っているはず。でも、登板したら翌日には試合登録から抹消し、二軍で調整させる起用法になりそう。再登録が可能となる10日後に体力が回復していなかったら、昇格を見送るでしょう。状況によっては二軍戦で投げて調整する期間も出てきます」(前出・ベテラン記者)

 直球と変化球で、若干だが投げ方が違ってくる弱点もあるそうだが、そんなのは二の次。あくまでも首脳陣が着目するのは、登板後の“回復力”だ。

 3月2日になって、登板は3月12日からの中日戦にずれこむ可能性が出てきたが、いずれにしても本拠地でのデビューは間違いなさそうだ。新型コロナウイルスの感染防止のため、ZOZOマリンには入場者制限がかかるものの、初登板となれば大きな注目を集めそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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