ダフト・パンクがYouTubeで解散を発表!爆破シーンをめぐる憶測とは?

 トレードマークはヘルメット姿。「One More Time」や「Get Lucky」などの世界的ヒット曲で知られるフランスのテクノユニット「ダフト・パンク」が2月22日、ユーチューブで解散を発表した。「EPILOGUE」と題されたこの映像は、ヘルメットとレザージャケットを纏った2人が荒野を歩くシーンからスタート。1人が歩みを止めジャケットを脱ぐと、その背中にはタイマー付きの装置が。ひとりがそのタイマーを押し、カウントがゼロになったとたん、スイッチの付いた方が爆破。画面には、「1993-2021」という文字が浮かび上がり、沈んでいく夕陽をバックにもう1人が歩いていくというものだ。この動画は2月26日時点で2100万回以上再生されている。

 ダフト・パンクは1993年にギ=マニュエル・ド・オメン=クリスト氏とトーマ・バンガルテル氏により、パリで結成され、28年に渡って音楽シーンに多大な影響を与えてきた。突然の解散動画に世界中のファンから悲しみの声が起こる中、大ファンだというお笑い芸人のバカリズムも2月23日、2人のフィギュアの写真を公開し、「ダフトパンクはこれからもずっとうちのテレビの上にいる」とツイート。24日には俳優の岡田義徳もインスタグラムで「10年以上前、DJをマジにやっていた頃、本当に神だと思った存在。これからも、彼らの楽曲は生き続けると思います。DuftでPunkな事を貫き通して解散。やはりカッコイイ」と思いをつづった。音楽ライターが語る。

「ダフト・パンクといえば、2000年代初めには漫画家の松本零士さんがミュージックビデオを手掛け、話題となったものですが、ステージでは常にフルェイスのヘルメットをかぶっていて、名前と出身地以外、正体は明らかになっていません。さらに、インタビューに答えることも稀であるため、ミステリアスで謎めいたイメージを保ってきました。一方、音楽的な評価は高く、これまでに何度もグラミー賞にノミネートされ、2014年のグラミー賞では最優秀レコード、最優秀アルバムなど、ノミネートされた5部門すべてで受賞を果たしています。そういう意味でも、突然アップされた動画で、解散を知ったファンのショックは大きいと思いますよ」

 彼らがヘルメットをかぶりだしたのは90年代前半。その前にもプロモーションの際には、黒いバッグを頭にかぶったり、撮影会では不気味なハロウィンマスクを着用していたが、

「その後友達のアーティストがデザインしたロボットのヘルメットにウィッグを着けて登場したんですが、2001年の雑誌撮影の途中、『やはりロボットに髪は似合わない』として引き抜いたことから、このスタイルが定着したのだとか。ヘルメットにはエアコン搭載型や通信システムを内蔵したライブ用、さらには映画『スパイダーマン』を手がけるハリウッドの特殊効果チームが製作したバージョンもあるそうです」(前出・音楽ライター)

 ところが、近年はロボット・ヘルメットのコピー品が出回り、ファンサイトなどで無許可販売されたり、バーやクラブではニセモノまで出没する始末。

「トーマ氏は以前のインタビューで、数年前にとあるクラブで『自分がダフト・パンクだ!』と言い張る男に遭遇したエピソードを語っています。そのニセモノは、クラブから何らかの名目で金をせびろうとしていたそうですから、ニセモノや偽アイテムの出現に2人ともウンザリしていたのでしょう。それが直接の原因とは言わないまでも、解散に与えた影響を指摘する声は多いですね」(前出・音楽ライター)

 解散を告知した動画には、タイマー式爆弾による派手な爆破シーンがあったが、ニセモノや偽造ビジネスもろとも粉々にしたかったのかもしれない。

(灯倫太郎)

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