馬連万馬券を12回演出!穴党ご用達の若手騎手が“斤量”で注目される理由

 競馬界では年明け早々、若手騎手が重賞で勝利を飾って高配当の立役者となっているが、斎藤新(20)も着実に力をつけている一人だ。騎手候補生時代にあらゆる賞を獲得し「黄金世代」のリーダー格として19年にデビュー。その年42勝をあげて、JRA賞最多勝利新人賞を獲得した。しかし、翌年は35勝と前年の勝利数を下回ってしまう。

「6月は勝ち星がなく『なぜ勝てないんだろう』と落ち込んでいました。その間に同期がバンバン勝つものだから、焦りも感じていたみたい。そんな時、岩田パパ(康誠・46)から『思い切って乗れ、楽しめ』というアドバイスを受けた。息子と同期だし、スランプが気が気でなかったんでしょう。でもそれがCBC賞(7月5日、13番人気ラブカンプー)での初重賞勝利につながった。今年はまだ6勝ですが、咋年以上の成績を残すのは間違いないでしょう」(栗東トラックマン)

 斎藤のモットーは「常に感謝の気持ちを忘れない」。同期と仲がよく、ライバルでありながら、ともに相手の活躍を喜び合う間柄なのだという。

 ちなみに、昨年の依頼厩舎別勝ち鞍は父・斎藤誠厩舎の4勝が1位。親子の絆の強さがうかがい知れるが、狙いどころは有力な差し馬に騎乗した時だ。

 アサ芸の連載でおなじみの伊吹雅也氏によれば、

「ラブカンプーで逃げ切ったように、短距離での先行競馬を得意としているように思われるかもしれませんが、前走の上がり1位の馬に騎乗した場合、3着内率は34.3%(同108%)。ちなみに、阪神芝2000メートル以上での3着内率は26.7%(同135%)と好成績です。中長距離でも見逃せません」

 黄金世代の中では地味な存在だが、亀田温心(20)も上昇中の騎手だ。デビューした19年は12勝も、2年目の昨年は40勝と大きくステップアップした。

「結果は16着でしたが、昨年12月のチャンピオンズCでヨシオに騎乗できたのも、実績を上げて『乗れる若手騎手』として認められたからこそ。人気薄の馬をしばしば持ってきて、万馬券を演出していますからね」(栗東トラックマン)

 昨年は馬連万馬券を12回も出し、そのうち10回は6番人気以下での勝利。今年もすでに2桁人気の馬で2勝をあげており、穴党ご用達の騎手と言えるだろう。

 亀田の馬券的な注目ポイントは、斤量だ。

「負担重量54キロ未満の3着内率が12.9%(同50%)なのに対して、54キロ以上は3着内率20.0%(124%)。デビュー当初から減量特典があまりプラスに働かないタイプです。昨年の半ばから勢いに乗ってきましたが、イメージ以上にノビシロがあるかもしれません」(伊吹雅也氏)

 騎手の勢力図が変わりつつある今、若手の狙い目をしっかり把握して高配当ゲットといこう。

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