ジャニーズ事務所がジャニーズJr.に「22歳定年制度」を設けると発表したのは1月中旬のこと。報道によれば、2023年から適用されるとのことだが、この制度が広まり、今回のような不埒な「偽ジャニーズ男」が二度と現れないことを祈るばかりだ。
SNS上で「自分はジャニーズJr.の一員」などと偽り、女子生徒らを誘い出しては、酒を飲ませたうえで性的暴行を加えた罪などに問われていた30歳の男に懲役12年の実刑判決が下された。2月16日、大阪地裁でのことだ。全国紙社会部記者が語る。
「この男が最初に児ポ関連の罪で逮捕されたのは2015年2月のこと。大阪市内のホテルで女子生徒に現金2万円を支払って、行為を撮影したとの容疑ですが、逮捕のきっかけとなったのが、前年11月に別の女性へ行ったお触り行為です。その際に押収した携帯電話から、10代女性との行為中の画像が出てきて余罪が発覚。その時は有罪判決を受けたものの、初犯だったため執行猶予がついたんです」
ところが、猶予期間中だった18年2月、再び性的犯罪などの容疑で逮捕、追送検されることに。
「直接の容疑は15年8月に、マッチングアプリで知り合った14歳(当時)の女子生徒を大阪府内のホテルに連れ込んで酒を飲ませて性的暴行に及んでその行為を撮影したというもの。ただ、別の被害少女からも同署に通報があり、押収した男のパソコンを調べると、その手の動画が次々とあぶり出される形となった。そうした記録をもとに被害者を割り出し、犯行の裏付けを取ったといいます」(前出・社会部記者)
捜査関係者によれば、その手口はほぼワンパターンで、SNS上で「自分はジャニーズJr.」あるいは「ジャニーズ事務所のマネジャー」と語り、「タレントに会わせてあげる」といっては、女子中高生をホテルに連れ込み、酒を飲ませて暴行するというもの。結果、男は被害者計16人に対する34の罪で起訴され、懲役14年が求刑されたが、前述のとおり、判決は2年短い12年の実刑となった。
「立件できたのは34件ですが、他にもかなり悪質なものがあったと言われますからね。さらに男は、取り調べに一切協力せず、反省の様子もまったくないばかりか、『出たら、またやりますよ』と、うそぶいていたのだとか。まだ30歳ですから、刑務所から出てきてもまた犯行を繰り返す可能性は否定できない。現行法ではこの刑期が限界なのでしょう。はたしてこんな男を野に放っていいのかという疑問の声があがるのも当然のことだと思いますね」(前出・社会部記者)
報道を受け、SNS上では《34も罪があるなら懲役34年にすればいい!》《複数の罪があると、一山いくらみたいな感じで罪を割り引いちゃうらしいが、複数の罪があるなら、複利方式で罰則を重くしろ》という意見が多くを占め、なかには《何のために国会議員はいるんだ?法律を改正しろ!》といった厳しい怒りの声も。
「性的行為の記録をパソコンや携帯電話に残している以上、もしも販売目的であれば、すでに拡散されていることも否定できない。欧米では模倣犯を抑制する意味を含めて、重刑になる事案ですからね。日本でも性的犯罪に対する考え方を根本的に変える時期に差し掛かっていることは間違いないと思いますね」(前出・社会部記者)
ともあれ、なり済まされたジャニーズJr.、さらにはジャニーズファンにとっても、怒り心頭な事件だったに違いない。塀の中での猛省を期待するばかりだ。
(灯倫太郎)