「長崎ちゃんぽん」は1円値上げ、リンガーハットの価格改定に意外な反応

 新型コロナウイルスの感染拡大によって閉店ラッシュが続く「リンガーハット」が、3月1日から全店のメニュー価格を「総額表示」にすることを明らかにしたが、これによって値下がりする商品も登場するため、ネット上では意外にも「もっと値上げしてもいいのでは?」といった声が上がっている。

「同社によれば、新型コロナでの新しい生活様式における硬貨の受け渡しの低減を目的として価格設定を見直したといい、東日本エリアでは『長崎ちゃんぽん』が649円から650円に1円値上がりしているものの、『長崎皿うどん』は682円から680円に2円値下がりし、『ピリカラちゃんぽん』は715円から700円に15円も値下がりするのです」(ネットライター)

 また、今回の価格改定と同時に「長崎ちゃんぽん」の麺増量無料サービスを2月28日をもって終了させることも併せて発表されたこともあり、ネット上では《めん増量無料サービス終了マジかよ。商品をもっと値上げしてもいいから続けてほしかった》《国産野菜なので安心して食べられるし、閉店が増えているのは残念。税込みの総額表示はありがたいけど、切り下げじゃなくて切り上げでもいいのでは?》といった声もあがっている。

 リンガーハットは人件費の高騰によって、郊外のロードサイド店からセルフサービスが基本のフードコート店へシフトを進めていたが、そこへコロナが直撃。昨年に緊急事態宣言が発令されて以降はフードコート店も休業や営業時間の短縮を余儀なくされる状況に追い込まれてしまった。

「さらに、ハンバーガーや牛丼などと違い、テイクアウトが難しい麺類はコロナ禍に非常に弱い業態といえ、21年2月期は過去最大となる87億円の赤字となる見通し。今年1月には業績悪化を理由に、21年末まで所属契約をしていた体操の内村航平選手との契約を20年12月末までで打ち切っていたことも発表されました。そんな状況ですので、ファンからは価格改定で値上げしてもいいという声が多く見られるのだと思います。ただ、そうでなくても飲食チェーンの値上げは慎重に実施しなければ客離れが起こると言われているので、経営状況が苦しいからといっておいそれと値上げすることはできないでしょう」(経済評論家)

 まだまだ「リンガーハット」は厳しい状況が続きそうだ。

(小林洋三)

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