田中将、涌井、岸…日本屈指の先発陣を支えるのは?楽天に正捕手不在の大問題

 田中将大投手が2月7日、沖縄のキャンプで初めてブルペン入り。ノーワインドアップで40球を投げ込むと、石井一久GM兼監督は「例えるなら闘牛士」「牛に向かう部分で打者と対峙する時の緊張感を持ち合わせている」と絶賛した。その実戦さながらの投球を、“爆勝問題バッテリー”と報じるメディアもあった。

「記念すべき合流後の初ブルペンで田中の球を受けたのは、今季が3年目となる太田光でした。太田と田中という語呂で“爆笑”ならぬ“爆勝”といきたいところですが、現在の楽天は正捕手不在という“大問題”を抱えています。昨季、もっとも多く出場したのは太田ですが、後半戦は足立祐一、下妻貴寛、石原彪、さらに途中加入の田中貴也も加わり、スタメン捕手が日替わり状態でした」(地元紙記者)

 19年オフ、長く楽天投手陣を牽引してきた嶋基宏が退団し、正捕手争いも注目されたが、まだその決着はついていない。今季6年目の堀内謙伍に期待する声も大きいが、19年オフに右ヒジにメスを入れており、昨季はスタメンマスクをかぶっていない。「今季も捕手は日替わり」というのが、大方の予想だ。

 しかし、こんな見方もある。「楽天の捕手は、日本一の果報者」と。どういう意味かといえば、楽天の新正捕手は、田中、涌井秀章、岸孝之、則本昂大など日本一屈指の先発陣のボールを受けることになるからだ。

「バリバリのメジャーリーガーの投げるボールを受けるんですから、キャンプ中のブルペンでも緊張してしまうでしょう」(球界関係者)

 田中は嶋に育てられた面もある。今度は若い捕手陣を牽引し、一人前に引き上げる側になったわけだが、誰をパートナーに指名するかにも注目が集まりそうだ。

「昨年の涌井、岸がそうでしたが、特定の捕手を指名したことはありません。好捕手が若い投手を育てるのと同じように、エースが捕手を育てるケースも少なくありません。まずは、田中の切れ味鋭いスプリットをしっかり捕球できるかどうかがポイント。一軍スタートとなった太田、田中貴、下妻、石原の4捕手が、どうやって田中にアピールしてくるかが見物です」(前出・地元紙記者)

 同時に、日本一の先発スタッフに相応しい捕手をトレード補強するのではないかとの憶測も聞かれた。これだけの贅沢な先発スタッフを揃えたのだ。まして、今季の楽天は優勝を意識しており、「田中に相応しい捕手の補強説」もマンザラではなさそうだ。

 田中の投球を受け、太田ら4捕手が覚醒するのか、それとも外部からの緊急トレードとなるか? 2月20日前後と言われる実戦マウンドを前にひと波乱起こりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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