年俸9億円は安い!? 田中将大「楽天復帰」「五輪出場」で気になる経済効果

 田中将大投手(32)の東北楽天ゴールデンイーグルス復帰が決まり、日本のプロ野球界だけではなく、東京五輪組織委員会もざわつき始めた。新型コロナウイルスの感染拡大やワクチンの接種状況から東京五輪の開催を危ぶむ声が多いのは事実。しかし、こんな情報も入ってきた。田中が日本代表入りし、東京五輪のマウンドに立つかもしれない。

「田中はヤンキースで6年連続2ケタ勝利をおさめた投手です。力が衰えたのではなく、契約がまとまらなかったから日本に帰還しただけ。田中が侍ジャパンに加われば、確実に『1勝』を稼ぐこともできます」(球界関係者)

 菅野智之がメジャーリーグ球団との交渉がまとまらなかった際にも、「五輪開催なら確実に1勝が稼げる」という声は出ていた。しかし、今回は日米通算177勝を挙げた“バリバリの日本人メジャーリーガー”が加わる。NPB、そして、野球競技で大会を盛り上げたいと願う組織委員会の興奮は菅野残留の比ではない。

 田中、菅野、千賀滉大、大野雄大、山本由伸…。これだけの強力な先発投手陣がいれば、野球競技の金メダル獲得を確実視する声が聞こえてくるのも当然だろう。

「次回の2024年パリ五輪では、野球は開催競技から外されることが決まっています。野球を五輪に復活させるのなら、アメリカの野球メディアも取り上げるようなビッグネームが出場しなければなりません」(前出・球界関係者)

 野球ファンにとって、田中の代表入りは歓迎すべきビッグニュースだ。とはいえ、新型コロナ禍が半年後に収まっているのかどうかは、誰にもわからない。3月26日の開幕戦はおろか、春季キャンプやオープン戦も日程通りに行われない可能性のほうが高いくらいだ。

「田中がヤンキースに移籍した14年、日米で約347億円の経済効果があったとされています。ヴィッセル神戸にイニエスタが移籍してきた18年、神戸周辺で約80億円、日本全国で100億円の経済効果があったと試算するデータもあります。田中の日本球界復帰がもたらす経済効果に期待する関係者も少なくありません」(スポーツ紙記者)

 コロナ禍で球場を満員にすることはできないかもしれないが、プロ野球ペナントレースの主催試合では、グッズや飲食の販売を含めると3万人動員なら3試合で10億円の売上が見込めるとされている。田中先発の楽天戦のテレビ中継も放映権の争奪戦は必至。五輪効果は未知数だが、スポーツニュースは連日、「楽天・田中」のことばかり。田中効果を考えると、推定年俸9億円は回収のメドも立ったのではないだろうか。侍ジャパン入りはどうなるかわからないが、楽天にとっては安すぎる買い物だったのかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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