1月13日、大手ラーメンチェーン「一風堂」で働くアルバイト従業員の男性が記者会見を開き、新型コロナウイルス感染拡大による営業時間の短縮によってシフトが減らされた分の全額補償を求めて会社と交渉中であることを明らかにしたが、これにネット上では疑問の声が噴出している。
「神奈川県内の店舗で7年以上働くというバイト男性は、夜のシフトを中心に週4〜5日勤務していたそうですが、『緊急事態宣言』の発令に伴い『一風堂』が閉店時間を20時に早めたため、これまで約17万円あった収入が今年1月は5万円程度と、3分の1以下になる見込みだといいます。また、会社からはシフトが確定していたぶんの休業手当は支払うが、『シフトが決まっていなかった期間については休業手当の支払い義務はない』と言われたと説明しているのです」(社会部記者)
この対応にバイト男性は「未曾有のコロナ禍という事態でも、アルバイトたちで会社を支えた」と訴え、シフト未確定分の休業手当が支払われないことに「コロナ禍に乗じてうやむやにして、経営陣は逃げ切ろうとしていると感じてしまいました。ぼくたちアルバイトは、企業の都合でこういうふうに切り捨てられることがあります」と会社の姿勢を批判した。
しかしこれにネット上では、《正社員ですら給与カットが当たり前なのに、なぜにアルバイトが全額補償になると思うんだろう?》《自ら7年以上アルバイトでいることを選びながら、シフトが決まってない分も金を出せとはあまりにも虫がよすぎる》《何でもコロナのせいにしたら金もらえると勘違いしてないか?》などとした指摘が多く見られるのだ。
「労働基準法では会社の都合で休業となった場合、バイトでも休業手当を支払う義務がありますが、今回は『緊急事態宣言』による政府要請の時短営業で、さらにはシフトが決まっていなかったという点も考えると、全額補償はさすがに難しいのでは…。現在、コロナによってラーメン店は大きな打撃を受けており、帝国データバンクの調査によれば2020年にはラーメン店の倒産が46件と過去最多を記録したことも明らかになっています。もし時短営業によってシフトが決まっていないバイトの給料まで全額補償したら、ラーメン店に限らず、倒産する飲食店はさらに続出することになる。となると、アルバイトの職場自体を失うことにもなりかねません」(経済ジャーナリスト)
いずれにせよ、コロナの第3波到来によって、飲食店は経営する側も働く側も完全に疲弊しきっている。
(小林洋三)