20年ぶりの首都決戦、厚底VS薄底…「箱根駅伝」を楽しむ4つのポイント

 1月2日から2日間にわたって開催される「箱根駅伝」。2021年も精鋭20校と関東学生連合が初春の箱根路を駆け抜ける。過去6回で5回の総合優勝を果たした青学か、前哨戦の全日本大学駅伝を6年ぶりに制した駒澤大か…。コロナ禍で沿道での声援がNGとなり、異例の“無観客レース”となるだけに、テレビ観戦を楽しむ4つのポイントを紹介したい。

「山の神」は降臨するか…

 箱根路といえば、「花の2区」に限らず、5区も注目区間。「4代目・山の神」の最右翼候補は、前回の5区で区間賞を獲った東洋大の宮下隼人(3年)だ。

「2代目・山の神の柏原竜二は、頭からガンガン行ったが、宮下はじっくりと構えるタイプ。坂の傾斜が最大になる宮ノ下あたりからグイグイと強さを発揮すると思います」(佐藤氏)

 手前の大平台バス停の通過が12時40分頃で、ここからゴールまでの残り45分ほどは、ライバルとなる青学の竹石尚人(4年)や、東海大の西田壮志(4年)らとの熾烈な戦いが見られそうだ。

シード権の鍵を握る四天王

 その宮下隼人(3年)が区間新記録で山を制したものの、20年の東洋大は、まさかの総合10位に泣いた。

「ルーキーイヤーから1区を任され、2年連続で区間賞を受賞した西山和弥(4年)が14位と出遅れたことが響きましたね。1区では各校とも流れに乗りたいもの。特に今回は、予選会トップ通過の順大と2位の中大が『ルーキー四天王』とも呼ばれる三浦龍司(1年)と吉居大和(1年)を起用し、シード権復活(総合10位まで)を狙っています」(スポーツ紙記者)

 さらに東海大も四天王のひとり、石原翔太郎(1年)を準備させているという情報もあり、見応えのある先陣争いが期待される…。

史上初の「スポンサーロゴ」

 今大会は各校のユニホームも注目の的だ。

「今回からスポンサー制度が導入され、シャツの右上、パンツの右下にスポンサー名やロゴが表示できることになりました。コロナ禍で、差し入れなどの物品提供が難しいことが背景にあるようです。契約額は100万円ほどで、専修大はOBが役員を務める『アマタケ』(鶏肉の生産・販売会社)に決まった」(スポーツ紙記者)

 スポンサー人気の高い青学は新潟県「妙高市」。スポーツ合宿の聖地との契約となった。

「多くの大学がサポートを受けているので少し意外でした。ただ、原監督が『食べ物もおいしい』と説明しているように、青学はあまり自炊をしない。寮母の原夫人も『料理は作りません。掃除もしません』と公言していますから、他の大学以上にお世話になっているからかも」(スポーツライター)

 ユニホームのほかに、足元も話題を呼びそうだ。

「前回、ナイキの厚底シューズの使用率は80%をオーバーしていて、今回も9割を超えるのでは、という声もあります。ただ前回、10区で区間賞を奪い、総合9位で初シード入りに導いた創価大の嶋津雄大(3年)は、真っ白なミズノの薄底シューズだった。こうした薄底シューズの個性派ランナーの活躍にも注目したいです」(スポーツ紙記者)

20年ぶり「首都決戦」もある

 前回は青学が総合優勝を果たすも、東海大が意地の復路優勝。19年も東海大が総合優勝したが、往路は東洋大で復路が青学と「完全制覇」が17年大会から途切れている。

「混戦必至の今回は、20年ぶりにラスト10区までデッドヒートを繰り広げる『首都決戦』が起こりそうです。第77回大会は中央大が往路を制し、順大、法政、駒澤大と続いていた。それが復路の9区で駒澤大がトップに立ち、10区では順大と競り合う白熱した展開に。最後は順大が10年ぶり2校目となる『大学駅伝3冠』の栄誉を手にしました」(スポーツライター)

 沿道での応援が自粛となるだけに、テレビの前で歴史的な名場面に酔いしれたいものだ。

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