「ベストナイン」投票結果にネット大荒れ!戦力外選手に票を入れた記者の思惑

「戦力外通告を受けた選手の傷口に塩を塗る行為。断じて許されない」

「大幾と尚輝を間違える記者なんかクビにしちまえよ」

「無記名投票だから、こんなふざけた投票する記者が出てくる。来年から記名にすべき」

 12月16日にNPBが発表した今シーズンの「ベストナイン」の投票結果をめぐって、一時ネット上は大荒れ状態となった。物議を醸したのはセ・リーグの二塁手部門。得票数161でトップに選出されたのは二塁手として史上初となるシーズン無失策を達成した広島の菊池涼介(30)。2位の巨人・吉川尚輝(25)に57票差をつけての受賞となった。ところが、同じ「巨人の吉川」でも11月に戦力外通告を受けた吉川大幾(28)が3票を獲得して5位にランクインしたことで、冒頭のような猛バッシングが沸き起こったのだ。

「ベストナインはテレビやスポーツ新聞などの野球担当記者による投票で選出されます。投票者には勤務年数など一定の条件があるのですが、イメージ重視というか、けっこういい加減なんですよね。守備の名手に与えられる『三井ゴールデン・グラブ賞』でも、2005年に外野手部門で選出された当時日ハムの新庄剛志(48)が、ハッキリと『今年のオレのゴールデン・グラブ賞はおかしい。他の選手に申し訳ない』とコメントしたのが印象的です。その年の新庄はケガなどで出られない試合も多く、守備率はリーグ8位でした。全球団全選手の守備を細かくチェックする記者なんていませんからね。特定の球団、特定のポジション以外はなんとなく名前を書いているんじゃないですか」(プロ野球解説者)

 それにしても、吉川大幾に票を投じた記者が3人もいることに、プロ野球ファンは驚きを隠せないようだ。今シーズンは主に守備固めなどで30試合に出場して安打は1本。守備率は10割ながら、二塁を守ったのはたった5試合だ。同じ吉川姓だとしても、プロの記者が票を投じたとあっては、「ベストナイン」の沽券にも関わりそうだが…。スポーツライターはこう推察する。

「じつは今年からコロナの影響でベストナインの投票が郵便からオンラインに変更となりました。パソコンに不慣れなベテラン記者が単純に入力を誤ったということも考えられます。とはいえ、同じ巨人ではわずか9試合の出場にとどまり、今季限りで自由契約となったイスラエル・モタ(24)にも1票が投じられています。となると、やはり何人かの“愉快犯”が紛れ込んでいると考えてよさそう。まったく成績が振るわなかった選手に『オレが1票入れるよ』と、“同情票”をアピールする記者がいるとは聞いていますが、所属先が決まっていない選手に票を入れても何のメリットもありませんからね」

 どんな思惑があるにせよ、栄えある「ベストナイン」の看板を汚さぬよう、そしてプロ野球ファンの反感を招かないためにも、記名投票に切り替えるべきかもしれない。

(渡辺俊哉)

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