急逝!末期がんの織田無道が心酔した“超能力者”と養殖ビジネスの行方

 90年代にタレント、霊能力者として活躍した織田無道さんが12月10日までに亡くなっていたことがわかった。享年68。

 織田さんは3年ほど前からステージ4の末期がんを宣告されていた。2年前の10月には”超能力者”を自称する男性A氏の「セミナー」に出席。A氏が「地球滅亡の日」「大地震発生のメカニズム」について講演を行うなか、会場で熱心に聞き入っていたのが織田さんだった。

「会場には50人ほどの“信者”が集まっていました。セミナーの会場の後ろでは体調がよくなるというグッズの販売コーナーがもうけられて、飛ぶように売れていました」(関係者)

 それまでは聴衆の一人に過ぎなかった織田さんが、A氏の呼びかけによってマイクを向けられたのはセミナー終盤でのこと。筆者もその場にいたのだが、そこで織田さんはこんな話をしていた。

「私は末期がんです。ある病院ではパイプを胸から入れて、そこから抗がん剤をぶちこむという治療法を提案されました。しかし、それをやるとお経を読めなくなるから、ちょっと考えさせていただいて。それでも言われたのは『せいぜいもって2年です』ということ。私の場合、直腸、大腸、胃、肺と全部ガンなんです。『そこから手術しても1年のびるくらいなので無駄だと思います』と言われたんです」

 当時、末期がんで余命宣告を受けた織田さんは、その後、A氏のもとを訪れて、“治療”に専念していたそうだが…。織田さんを古くから知る男性はこう言って言葉を詰まらせる。

「A氏の治療によるものかどうかはわかりませんが、一時は『ウソみたいにがんが消えた』と喜んでいましたよ。でもまさか、そこから再発してこんなに早く逝ってしまうなんて…」

 90年代のオカルトブームに乗って「霊能者」として数々のバラエティに出演していた織田さん。2002年には宗教法人の乗っ取りに関連した事件で逮捕され、以降はテレビに出演する機会が激減。厚木市にある寺で住職を務める一方、力を注いでいたのが「養殖ビジネス」だった。織田さんはこんな野望を筆者に語っていた。

「ある研究機関と共同で養殖ビジネスを始めたんです。海のない町や村でも魚が養殖できる不思議な水がありましてね。この水で養殖した魚は普通のサイズよりも2倍、3倍くらい大きく成長するんです。つい先日もこの養殖法で育てた1メートル近い伊勢海老を食べたんですよ。この養殖ビジネスが広まれば、世界から飢餓がなくなると信じています。今度うちにいらっしゃい。バカみたいにデカい鯛とかスッポンとか食べさせてあげるから」

 晩年は養殖ビジネスに奔走していたという織田さん。自身の“霊能力”をもってしても、病魔には勝てなかったようだ。冥福をお祈りしたい。

(編集部)

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