広島カープが早くも来季の新外国人選手を発表した。ピッツバーグパイレーツで主に中継ぎとして活躍していたドビーダス・ネヴァラウスカス投手と、2019年3Aで本塁打王のタイトルも獲得したケビン・クロン内野手だ。
「クロンに関しては、ひと足先に米メディアが『日本の球団と契約した』と報じています。来季28歳で将来性のある右のスラッガーの日本流出を惜しむ声もありました」(米国人ライター)
このクロンが2年連続Bクラスに沈んだ広島のキーマンになりそうだ。そもそも、広島は外国人選手の補強時期が早い。補強ポイントが明確にされているからで、今季の外国人野手のメヒア、ピレラには一発の脅威が感じられなかった。そのため、対戦投手のマークが4番・鈴木誠也に集中し、それをカバーするはずの松山竜平は一塁手として守備難を露呈してしまった。
「広島はアリゾナ・ダイヤモンドバックスに譲渡金を支払い、クロンを獲得しました。かなり期待しているようです」(スポーツ紙記者)
たしかに、球団首脳陣は「エルドレッドのようだ」と、14年本塁打王に輝いた助っ人の名前を挙げていた。しかし、一方でこんな評価もある。
「三振率が高いんです。マイナーで本塁打王に輝いた19年は、24.8%。4打席に1回、つまりは、1試合で1回は三振している計算です。四球も少なく、コンタクト率の低いバッターなので、変化球が多く、コントロールの良い日本人投手に対応できるのかどうか…」(前出・米国人ライター)
定位置は一塁。三塁の守備に入ったこともあるそうだが、こちらはお世辞にも巧いとはいえないレベルで、一塁以外は守れないと見るべきだろう。
「巨漢ということもあって走力は期待できません。クロンとダイヤモンドバックスは25年までの長期契約を結んでいました。長期契約を交わしていたので、Dバックスとしては試合で使っていきながら育てていくつもりでしたが、放出したということは諦めた部分もあるのかもしれません」(前出・米国人ライター)
日本での再指導も必要そうなだけに、米FA選手が動くウィンターミーティング前の即決が吉と出るか、凶と出るか。佐々岡真司監督も、我慢しながらの起用となりそうだ。
(スポーツライター・飯山満)