とある物を狙った空き巣被害が話題を呼んでいる。被害総額はなんと1億円以上、その盗難品とは何とトレーディングカードであった。
「11月9日の深夜頃にSNSで衝撃ツイートが拡散されました。それは『遊戯王』カードコレクターの自宅に空き巣が入り、現金や骨董品などを含めて1億円以上の被害を受けたという被害者本人のツイート。翌朝には別の『遊戯王』のカードコレクターも空き巣被害を受けたとのニュースが朝の報道番組で取り上げられ、こちらは300万円以上のカードが盗まれたそうです」(エンタメ誌ライター)
「遊戯王」とは「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1996年から2004年まで連載されていた人気漫画。ストーリー中盤から出てきたオリジナルカードゲームが人気を集め、1999年に商品化されて以降、今や世界大会が開かれるまでに成長した。
「もともと、大会参加者限定カードなどのレアカードはコレクションアイテムとして価値を上げていた遊戯王カードですが、今年に入り、一気に相場が高騰。去年、150万で取引されていたカードが、600万に跳ね上がるほど急激な人気となりました。『遊戯王』をリアルタイムで読んでいた世代が30代になり、お金に余裕を持ち始めたことでコレクションする人が増えたことが理由と言われています」(前出・エンタメ誌ライター)
相場高騰に乗じて転売屋も「遊戯王」に参入。これにより、レアカードはさらに相場を上げている。”投資”としてカードを購入する人も増えているという。
そんな最中で起きた今回の事件。犯人も「遊戯王」のカードの価値を知っていての犯行だと間違いなさそうだ。
「真偽は不明ですが、“1億円事件”の被害者宅の前にはカエルやクワガタが置かれていたそう。珍しいと思った被害者はそれを写真に撮ってSNS上にアップしたのですが、この行為によって住所はおろか、生活パターンをさらしてしまった可能性が高い。つまり、犯行グループは、目星をつけたコレクターの自宅付近になんらかの“仕掛け”をして、その後の反応をSNS上でチェックしてから犯行に及んでいたということ。いずれにしてもネットユーザーは、SNSから個人情報がダダ漏れしている事実をもっと自覚すべきかもしれませんね」(ネットライター)
気になるのは盗まれたお宝カードの行方だが…。
「じつは被害者のものと思われるカードがフリマアプリで一式900万円という破格の値で出品されていたんです。出品はしばらくして削除されましたが、犯行グループはなぜ、そのようなアシがつきやすい方法で盗品をさばこうとしたのかは不明。地方などのカードショップに出向いてバラバラで下取りに出せば、ルートをたどるのはより困難になるのは必至ですからね。なんとも不可解な点が多すぎます」(前出・ネットライター)
市場価値が高まっている今、これ以上被害が増えないことを願いたい。
(立花るい)