アニメ化前は250万部!?「鬼滅の刃」を“1億部コミック”に押し上げた作画力

 10月16日に封切られたアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が18日までの3日間で興行収入(興収)46億円を突破した。吾峠呼世晴氏による原作漫画はすでに連載が終了し、人気の落ち込みを心配する声も挙がっていたが、いい意味で期待を裏切る形となっている。

 「鬼滅の刃」は、竈門炭治郎が家族を殺した鬼と戦い、鬼と化した妹・禰豆子を人間に戻す方法を探して戦う物語。16年2月に「週刊少年ジャンプ」で連載を開始し、19年にアニメが放送され人気絶頂の中、今年5月に連載を終えた。

 コミックスの累計売上も最新22巻で1億部を突破し、様々な企業ともタイアップ。今やTVや街で見ない日はない国民的作品へと育った「鬼滅の刃」は如何にして人気を集めたのか? その秘密は「アニメ」にある。

「アニメ『鬼滅の刃』を手掛けたのは、大ヒット作品『Fate』シリーズなどを手掛けた制作スタジオ・ufotable。演出・作画・背景・3DCGなど全て自社で行っており、高クオリティなアニメーションが話題になりました。漫画では目立っていないシーンも、アニメでは”神作画”と大きな注目を浴びることも。そして、花江夏樹や鬼頭明里といった声優陣の演技力も相まって、地上波では深夜帯放送にもかかわらず話題となり、『Netflix』をはじめとした動画サブスクサービスで全世代から視聴され、国民的アニメに昇華。事実、『鬼滅の刃』はアニメ放送前、累計発行部数は11巻までで250万部でしたが、放送終了後には1200万部まで跳ね上がりました。そして、現在の累計発行部数は驚異の1億部突破……この数字からみても、鬼滅ブームの火付け役は”アニメ”だということがわかります」(出版関係者)

 人気絶頂期に連載を終えた「鬼滅の刃」だが、ファンからすると漫画以上にアニメへの期待が大きい。それだけに、今回の興行収入もうなずける。最終興行収入は100億を超えるとも予想されているが、それも夢ではないのかもしれない。

 そして、驚くべきはまだアニメでは原作の半分ほどしか放送されていないこと。このヒットを受けて、アニメもしくは映画版の続編が制作されることは間違いないだろう。この先も「鬼滅の刃」ブームは続きそうだ。

(立花るい)

エンタメ