日本ツアー参戦!不調のシブコを苦しめた“ポアナ芝”とコロナ禍の遠征コスト

 全英、全米オープンのしくじりは、国内ツアーにも影響しそうだ。

 米女子ツアーを兼ねた「TOTOジャパンクラシック」(11月6日開幕/茨城・太平洋クラブ美野里コース)が新型コロナウイルス感染拡大の影響により、日本女子プロゴルフ協会の特別公認大会となった。そのため、同ツアーの出場資格も変わり、「富士通レディース」終了時点の国内ツアー賞金ランク上位35名と、10月12日時点の世界ランクで、会員もしくはツアープロ登録者の上位43名で構成されることになった。

 注目は世界ランクの上位者で出場資格を得たシブコこと渋野日向子、畑岡奈紗、河本結の米ツアー転戦組。しかし、不調が伝えられるシブコにとって、国内大会への参戦は「弱点克服」からさらに遠ざかることとなりそうだ。

「シブコは全米オープンでも予選落ちと、成績は振るいませんでした。敗因は彼女自身も語っていたように『ポアナ芝』のグリーンに対応できなかったからです」(専門誌記者)

 ポアナ芝はアメリカ特有とも言われている。日本のゴルフ場で見られる芝と比べ、「柔らかい」ことが特徴で、慣れないと、ボールのコントロールやスピード調整でミスをしてしまう。そのポアナ芝だが、国内ツアーの関係者によれば、

「日本でもごく自然に生えている。珍しくないが、ポアナ芝は雑草と位置づけられているので、除草されてしまいます」

 日本のゴルフ場では雑草扱い。高温多湿の日本の風土にも適さず、放っておいても枯れてしまうそうだが、国内ツアーに比重を置けば、シブコが「もっと慣れないとダメ」と言っていたポアナ芝対策はできなくなる。

「全英、全米オープンでは新型コロナウイルス感染防止のため、しばらくホテルでの隔離生活を強いられ、かつキャディーなどのサポートスタッフに対しても、個別に部屋を用意しなければなりませんでした。例年以上に遠征費がかかったはず」(特派記者)

 国内ツアーで好成績をおさめても、“雑草だらけの米会場”では通用しない。スタッフの宿泊代などが余計にかかった分を、国内ツアーで取り返そうと思っているかもしれないが、今後、海外でやっていくには雑草のような逞しさも必要だろう。

(スポーツライター・飯山満)

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