「我々としては社員を守る観点から警察にいろんな相談をしている。これ以上の言及は避けたい」
テレビ東京の石川一郎社長が9月24日の定例会見で、音声データの流出事件について言及。もはや“警察沙汰”の大問題となっていることを明かし、さらにアナウンス室内に盗聴器が仕掛けられているか調査を行ったというから穏やかではない。
同局の女子アナが交わしたとされる雑談の音声データがSNS上に漏洩したのは9月2日のこと。以降、同局が対応に追われる事態となっている。
「流出した音声は同僚やスタッフへの中傷といった女の本音がてんこ盛りで、先輩アナを名指しで『仕事ないじゃん』『いてもあんまり意味ない』といった辛辣な言葉が並び、ネットを中心に大盛り上がりとなっています。女子アナ界はもちろん、テレビ業界全体の歴史に残る前代未聞の事件といえそうです」(業界関係者)
テレビ業界ではこの一大事にテレビ東京が思い切った対策を取るのではないかと噂されているという。
「ズバリ、アナウンス部の廃止です。漏洩した音声では同僚への愚痴や嫉妬が赤裸々に語られていますが、これも女子アナという半ばタレントのような存在を、社員として抱えているからこそ起こった出来事かもしれません。それならいっそのこと社員アナウンサーを廃止して、番組ごとにアナウンサー事務所を通して契約した方が効率的という考え方も成り立つでしょう。広告収入が顕著に落ち込むなか、テレビ局では正社員の採用を控える方向に向かうのは確実。一方でフリーアナは増える一方ですし、アナウンス部廃止も決して極論とは言えないのではないでしょうか」(前出・業界関係者)
しかしバラエティ番組や音楽番組ならいざ知らず、経済ニュースに強いテレビ東京ではニュース番組のキャスターには社員アナウンサーが必要ではないだろうか。
「それも固定観念かもしれませんよ。独立局のTOKYO MXには専属の社員アナウンサーが『TOKYO MX NEWS』の風戸星那アナしかおらず、ほかには報道記者兼任のキャスターが何人かいるだけ。朝の『モーニングCROSS』には元NHKの堀潤アナと元フジテレビの宮瀬茉祐子アナを起用し、この4月に始まった夕方の『news TOKYO FLAG』では元フジテレビの平井理央アナがメインキャスターを務めています。一方のテレビ東京では2016年に女子アナの中途採用という、キー局では前代未聞の施策を実施。そういった柔軟な考えのある局ですから、廃止を前提にアナウンス部の縮小を行う可能性も十分にあるはずです」(前出・業界関係者)
すでにテレビ東京・アナウンス部を去ってフリーとなった鷲見玲奈アナは、今年6月、Twitterに意味深なメッセージをアップ。後輩アナにまつわるエピソードとして「鷲見さんがいなくなれば自分ができる番組が増えるって言ってたのも、プロデューサーにアピールしてたのも、知ってるんだからねっ」とコメントして即削除するというハプニングに見舞われた。誹謗中傷や陰口が飛び交う“伏魔殿”に改革のメスが入る日は訪れるのだろうか。
(浦山信一)