「店舗改装」は従業員感染のサイン!? 夜の街で横行する“コロナ隠蔽工作”

 いまだ終息が見えない新型コロナの影響に頭を抱えるサービス業の経営者たち。万が一にも自身が経営する店の従業員に陽性者が出たとなったら、客足は途絶えて更なる経営難に陥ることは必至だ。そんな苦しい現実があってか、感染者が出ても公表しないという店は少なくないという。

「うちはスタッフで陽性が出たからと言って公にはしません」

 こう語るのは繁華街で飲食店を営む男性。先日、スタッフの一人に発熱の症状が見られ、PCR検査を受けたところ陽性が判明したという。

「他の従業員も全員検査しましたよ。はじめに陽性が判明したスタッフと、そのスタッフと公私で深く関わっていたもう1人、計2名が陽性でした。全員の検査結果がわかるまで営業するにもできない状況だったので、『店舗改装のため』という名目で1週間弱休業しましたね。もちろん、陰性だった従業員だけで営業を再開しました。お客様からは『どこを改装してたの? 何も変わってない』なんて突っ込まれちゃいましたけど、コロナが出たなんて口が裂けてもいえませんよ。お客が逃げちゃいますから」(前出・飲食店経営者)

 従業員の中で陽性が判明しても、店舗内でクラスター化していない場合は、案外隠し通せるようで、そのまま営業を続けている店も多いようだ。夜のクラブでママを務める女性はこう話す。

「せきが止まらないって数日休んでた子が結局コロナだったのよ。万が一、と思って出勤させないようにしてて良かった。他のホステスも検査したけど大丈夫だったし、なんなら、みんな検査済みだから逆に安心して営業してるわよ。レギュラー出勤の子だったから、『身内に不幸があった』ってお客様には伝えさせてしばらく休ませてる。下手にコロナって言ってしまうと、今でも少ないお客さんが来なくなるでしょ。そのくらいナイーブな問題ですよ」

 一度コロナのイメージがついてしまったらその時点でアウト。何週間休んで、どれだけ消毒をしても、もう店には客足が戻らないという現実があるのだと言う。そもそも、感染者が出たことを公表しなければいけないという義務はないが、そういった現実が経営者たちをより隠ぺいへと突き動かしているようだ。

 店がコロナを隠してそこの客が知らずに他の店へと運び、その店が感染を隠蔽する…。こんな負のサイクルが、夜の街に暗い影を落としている。

(浜野ふみ)

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