箱根駅伝は本当に開催されるのか? 関東学生陸上競技連盟は「陸上自衛隊立川駐屯地内周回コースで予選会を開催する」(10月17日)と発表したが、「まだ信じられない」と首を傾げる関係者も少なくない。
「予選会は自衛隊施設の敷地内ですから、観客ナシで3密状態を防げるでしょう。でも、本大会は違います。東京マラソンも沿道での観戦NGを呼び掛けましたが、実際には人が集まってしまいました。各地のマラソン大会も中止になりました。お正月の風物詩であり、国民的関心も高い箱根駅伝の沿道を完全な“無観客”になんかできっこありません」(体育協会詰め記者)
開催が懸念される理由は、主催者の運営体制、管理の限界だけではなかった。
「早々に4年生を卒部させ、就職活動に専念させた大学もあります。留学生を帰国させたところもあれば、夏合宿の中止や縮小を決めた大学も多いんです」(前出・記者)
この夏合宿というのが、箱根本番に大きく関わってくる。高校生までの駅伝、長距離走は主に10km以下。これを、最短20.8kmという箱根に対応できるロングラン仕様の肉体に改造するのだ。
その厳しさは夏の甲子園球児も顔負けで、炎天下で午前と午後で2度、フルマラソンをこなすのは当たり前といった厳しさだ。
「千葉県富津市の海岸沿いが、そのメッカとされています。ところが今年はコロナ禍で夏合宿の予約をキャンセルした大学がたくさんありました」(地元紙記者)
主力の4年生と留学生がいないうえに調整不足となれば、レースそのもののレベルダウンは避けられない。故障の心配もある。
「卒部した4年生を呼び戻し、再調整させるところもあります。箱根駅伝はテレビ中継され、CMスポンサーのサポートも手厚い。大学の監督が乗る伴走車まで企業が提供しています。警視庁、神奈川県警も動く一大イベントなので、中止となればその影響は計り知れません」(関係者)
オトナの都合も影響しているようだ。1月はインフルエンザのシーズンでもある。「開催しても大丈夫なのか?」といった懸念は直前まで続きそうだ。
(スポーツライター・飯山満)