「ウーバー配達員」に当て逃げされたら泣き寝入り!?「本部対応」に批判殺到

「先日、路上のパーキングメーターで車を駐車させていたら、サイドミラーに大きな傷がついていたんです。うっかりして折りたたんでいなかった自分も悪いと思っていますが、車道をものすごいスピードで走る自転車を見ると、『もしかしたら…』って疑っちゃいますよね」

 東京都内に住む30代の男性が告白するのは、自身に降りかかった当て逃げ被害だ。彼の脳裏に“黒い配達バッグ”が浮かぶのも無理はない。最近、飲食店の料理配達代行サービス「ウーバーイーツ」の配達員による当て逃げ事故が話題になっているという。このコロナ禍で街中を猛烈なスピードで走る自転車を見かける機会は増えたが、一部の配達員のマナーの悪さが槍玉にあげられているのだ。

「8月12日にフジテレビが『Live News it!』などでオンエアした当て逃げの映像は衝撃的でした。ウーバー配達員と見られる男性が運転する原付バイクが、乗用車に追突。現場は片側一車線の道路だったため、事故の被害者である乗用車の運転手は通行の邪魔にならないよう、路地へと入ったのですが、あろうことか、この“配達員”はそのまま逃走したんです。乗用車の後部は大きな損傷を受け、修理費用は30万円以上にのぼったものの、ウーバーの本部の対応はじつに誠実さを欠くものでした。事故の発生場所や時刻をメールで伝えたものの、返ってきたのは、ウーバー配達員のフルネームがわからなければ対応できないというメールだったそうです。警察でもないのに、どうやって当て逃げした配達員の本名を割り出せばいいのか、被害にあった男性は途方に暮れているようでした。この本部対応には批判が殺到していると聞きます」(テレビウォッチャー)

 テレビで報じられたケースは原付自転車だったため、ドライブレコーダーにナンバープレートが映っていれば、警察によって加害者を割り出すこともできるかもしれない。だが、そうしたデータがない自転車配達員となれば、泣き寝入りするしかないのだろうか。

「ウーバーの配達員はあくまで仕事を請け負う個人事業主という位置づけですからね。これは配達員が転倒などで長期休業を余儀なくされても、同様の“逃げ口上”が使われるのですが、雇用契約を結んでいるわけではないから、本部に責任はないという一点張り。当事者同士で解決してくれ、というのが基本スタンスです」(社会部記者)

 また、ドライブレコーダーなどで事故や当て逃げの決定的瞬間が収められていたとしても、ウーバーの本部にとっては、さらに大きな“逃げ道”があるという。

「ウーバーの象徴である大きな黒いバッグを背負っているからといって、これが配達員とは限らないという言い分です。じつはフリマアプリなどでは、ウーバーのバッグが大量に出品されています。かつて配達員をしていた人たちが不要となったバッグを“新規参入者”に譲るという構図ですが、実はこのバッグを個人的な用途で使っているというケースは少なくないんです。ですから、バッグを背負っている人が必ずしもウーバーの配達員とは限らないわけです。当て逃げされたら、その場で免許などの提示を求めて本名や住所を確認するなど、よほどの証拠がない限り、泣き寝入りでしょう。そもそも、こうしたバッグのずさんな管理体制が、逃げ道を与えているというのは皮肉な話ですが…」(前出・社会部記者)

 もっとも、外出自粛がさけばれたコロナ禍において、ウーバーイーツのサービスに救われたという飲食店やユーザーは多いはずだ。社会に及ぼす影響が大きいだけに、事故対応やバッグの管理体制の甘さには疑問を抱かざるを得ない。

(倉田はじめ)

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