声は身を助く!ナレーションで荒稼ぎするお笑い芸人たち

 お笑い芸人にとって、声は生命線。ここ数年はネタ番組が減少したこともあり、芸人たちは仕事の幅を拡げ、ボイスキャストとして活躍することも珍しくなくなった。外国の映画の日本語吹き替えを務めることも今では当たり前だ。いっぽうで、ナレーターとして、番組の要となっている例も多い。

「芸人のナレーションを浸透させたのは『スッキリ』(日本テレビ系)でしょう。エンタメニュースを紹介するコーナー『クイズッス』に登場する『天の声』さんがそうです。顔も名前も伏せていましたが、9年も続いた今では柳原可奈子と南海キャンディーズの山里亮太であるのは誰もが知っています。金曜日の担当だった柳原は今春、惜しまれながら卒業しましたが、山里は今でも“山ちゃんの友人”というキャラを貫いて出演しています」(テレビ誌ライター)

 その柳原は、Kis-My-Ft2やキャイ~ンが出演している「もしもツアーズ」(フジテレビ系)のナレーションは続行。所属する太田プロダクションの大先輩にあたる神奈月は、「相葉マナブ」(テレビ朝日系)に出演しており、こちらは「謎の所長」という肩書のナレーターだ。

 さらに、意外な“じゃないほう芸人”も、声が高く評価されはじめている。

「三四郎の相田周二がその1人。どうしても、キャラが濃い小宮浩信が目立ってしまいますが、相田は実に耳触りのいい声。コンビでレギュラー出演中の『イッテンモノ』(テレビ朝日系)でも、特番でナレーションも務めました。今は、ナレーターとして、『勇者ああああ~ゲーム知識ゼロでもなんとなく見られるゲーム番組~』(テレビ東京系)にレギュラーで出ています」(前出・テレビ誌ライター)

 絶望的な滑舌の悪さが、かつての三四郎・小宮のセールスポイントだった。しかし今では、2人そろってHKT46のバラエティ「HKTBINGO!」(日本テレビ系)のメインMCを務め、「青春高校3年C組」(テレビ東京系)の水曜レギュラーとして、番組を仕切っている。

 これからのお笑い芸人はネタだけでは生き残っていけないのかもしれない。

(北村ともこ)

エンタメ