7月から全面的にスタートするコンビニやスーパーなどのレジ袋有料化。7月を待たずして、すでに導入している店もある。その目的の最たるものは海洋プラスチックごみ問題をはじめとする環境対策である。しかしその効果を根本的に疑問視する声も上がっている。まずは環境問題に詳しいロハス系メディア記者に話を聞いた。
「結論から申しますと、日本の施政にありがちな欧米の目を気にした表面的な規制ですね。一番の問題は、自然に対して有害なプラスチック素材の規制といいながらも、『生物由来のバイオマスプラスチックの配合率が25%以上であれば除外される』という玉虫色の基準です。残りの75%の成分に関しては何の基準も設けていません。何%バイオマスが含まれていたとしても、残りが自然分解されるものでなかったら意味ないですよね。バイオマスプラスチック配合と銘打たれていることにより、かえって購買者のなかに『捨てても平気なもの』という誤った認識を持たれる危険性すらあります」
当規制の別の矛盾点を指摘するのは、経済業界誌を中心に活動するライターだ。
「最初にこの規制を耳にしたとき、僕の印象としてはスケープゴートにされたな…といった感じでした。プラスチックごみの問題で言うならば、一番はペットボトルですよね。でも今回、環境省の規制はペットボトルには触れていません。なぜかといえば、ペットボトル飲料の多くが大手上場企業の製品であるのに対して、レジ袋を作っている企業のほとんどが零細企業だからです。発言力の小さい、弱いところにしわ寄せが行ったという見方もできます」
環境対策という面において、そもそも効果的でないという意見もある。経済金融系ウェブ編集者の談。
「よくレジ袋をヤメて、エコバックを使おうと言われてますが、レジ袋の原材料はポリエチレン。一方、エコバックと言われる買い物袋のほとんどがポリエステル製ですよね。ポリエチレンに比べて、ポリエステルのほうが自然環境におよぼす影響ってものすごく大きいんですよね。意味ないじゃんと思います。あと、自然を汚してるのってレジ袋でなくて、捨てている人間ですよね。本来必要なのはどう考えてもレジ袋の有料化ではなくて、自然に捨てないようにするという取り組みですよね」
確かに、本来の意図がなかなか伝わりにくいレジ袋の有料化。今後、日本人にどのような意識付けがなされていくのだろうか。
(オフィスキング)