コロナ禍によってテレワークを推奨する動きが続いている。緊急事態宣言発令中の実績や社員からの評判を考慮して、高い賃料を払ってまで都心にオフィスを置くこと自体取りやめる企業も出てきており、今後はワークスタイルのひとつとして定着しそうだ。そうなると、気になるのが既存のオフィスに取って代わる「働く場所」だ。とくに家庭に小さな子どもがいるケースや、自分の仕事部屋が持てないサラリーマンには大きな課題となりそうだ。そんななかで、大手カラオケチェーン「カラオケの鉄人」が、アフターコロナにピッタリのプランを提供して話題を呼んでいる。
同チェーンが5月7日から販売している「テレワークパスポート」を掲示すれば、平日の開店〜20時までワークスペースとしての利用が可能。価格は利用回数により、3980円(無制限)、2980円(10回)、1980円(3回※いずれも税抜)と3タイプから選べる。カラオケの利用はできないが、ドリンクバー飲み放題、無料 Wi-Fi やコンセントの完備、店舗間の移動も可能(利用店舗はホームページで要確認)というから、使い勝手はいい。既存のコワーキングスペースの月間利用料が概ね1万円以上ということを考えれば破格といえよう。ネット上では早くも評判のようで、《カラオケボックスでテレワーク。平日しか利用できないけど1日約200円は安すぎる。窓がないことを除けば快適そのもの》《前にテレワークパスポートを利用したらなぜかパーティールームに通された。広々空間をひとり占めした時はなぜか仕事がはかどった》といった声が聞かれた。
同プランは今春に期間・エリア限定で実施されていたもの。テレワーク以外にも“第二の居場所”は勉強や休憩などさまざまな用途で需要が根強く、他のチェーン店もこれを追従しそうだ。カラオケ業界に吹き荒れる逆風を乗り切る一手となるか、注目していきたい。
(穂波章)