一概に「ブログ収入」といっても報酬を得る形態はさまざま。これまで、辻希美や市川海老蔵といった芸能人ブログによる高額収入がたびたび報じられているが、これらは記事の閲覧数に応じた広告料収入。
ブログを使った副業といえば、こうした広告料や物販の仲介料で報酬を得るのが一般的だったが、近年では「文章の直接販売」が注目を集めている。
販売仲介サービスは多数あるが、中でも手軽に文章を販売できるプラットフォームが「note」。ブログ形式で投稿した文章をそのまま販売することができ、決済手続きを代行するサイトだ。
個人の体験をつづったエッセイや「不動産投資のノウハウ」など、さまざまなテキストが売られており、近年、ネット上では「noteの有料販売で数十万円稼いだ」といった証言が散見されるようになった。
「note」で文章を売るには、どのような手順が必要なのか。
最初にトップページの「新規登録」の項目からメールアドレスとニックネームを入力して、アカウントを作成。ログイン後、画面右上の「ノートを投稿」のボタンをクリックすれば、文章を投稿することができる。
文字数に制限はなく、販売価格は100円から1万円まで。販売後、手数料を差し引いた額が後日入金される。文章を販売する際に重要なのは、読者にアピールするための「無料部分」の設定だ。「公開設定」の項目から「有料エリア設定」を選択し、「どこまでをタダで見せるか」の確認を行う。
「note」で有料ブログを販売している男性ライターは、無料部分を決めるコツについてこう話す。
「どのような内容のテキストでも、無料部分がイマイチだと売れません。無料部分でしっかりと文字数をかけて『売り物の部分』に関する期待を高め、読者の興味を引くのが基本です」
では、実際にどのくらい稼いでいるのか。
「これまで『起業する際の注意点』に関する文章を販売して、現在では1投稿あたり3万円から5万円程度は稼げるようになりました。ちなみに、自分のことを書いたエッセイを売るなら、価格は500円が限度ですね。『note』では常に物色している人がいるので、無名の書き手によるエッセイでも無料部分しだいで売れます」
また、ノウハウ系で売れるジャンルについては、
「『投資法』や『儲け方』といった信憑性を疑われやすいジャンルよりも『行政書士試験に臨む際の勉強方法』など、個人の体験を生かした堅実なもののほうが売れますね。無料部分の末尾に『有料部分の文字数』が表示されるので、似た内容を扱っている競合のテキストよりもボリュームを増やすことが重要です」
どのテーマを扱うにせよ、「お得感」の演出が重要なのだった。
(もとおり・ひろゆき)