今回は仲介サイトを通じて“個人の特技”を売る副業を紹介する。
オークションサイトなどで不用品が売れることは広く知られていたが、近年、手元に売り物を必要としない“特技”の売買を仲介する「ココナラ」「ランサーズストア」といったサービスが続々と登場。現在、新たな副業の一形態として脚光を浴びている。
「ココナラ」では「インテリア・家具のアドバイス」「ペットの飼育相談」「楽器演奏の相談」などアドバイス関係のものから「語学翻訳」「写真撮影代行」「似顔絵作成」といった実務を伴うものまで膨大なカテゴリーを設置。「データ入力」や「テープ起こし」といった単純作業までもが売り買いされていて、際立った特技がなくても利用できる仕組みとなっている。
それでは、どのようにすれば特技を販売できるのか。
同サイトでは、新規登録の項目からメールアドレスに加え、住所、氏名、生年月日を入力すれば出品が可能に。出品画面では、どのような特技を提供できるのかを「提供内容」「キャッチコピー」「一言PR」として記入し、関連写真をアップロードして、該当するカテゴリーを登録。出品にあたり禁じられているのが、取引相手との「直接取引」。メールアドレスを出品画面に記入することはできず、取引は全てサイト上で行うことになる。
一度に受注可能な件数やサービス提供時の「テレビ電話(ビデオチャット)の使用の有無」などを選択したあと、提供価格を決定する。同サイトでは500円から出品できるが、出品形式によって上限価格が異なる仕組みを採用。「相談系」では10万円までだが「制作・ビジネス系」では上限50万円。電話相談サービスの場合、1分あたり100円から300円の間で設定できる。「ココナラ」では提供価格の25%が手数料として差し引かれる仕組みだ。
では、特技販売サービスで副業として効率的に利益を上げるにはどうすればいいのか。同種サービスに詳しい30代のIT関係者が語る。
「基本的に単価が高いのは『翻訳』『システム開発』『サイト構築』といった専門性の高いジャンルです。もっとも、そんな能力を持っている出品者は一部で、誰でもできる『データ入力』を出品したところで、時給500円未満の過酷な仕事しか取れないのが実情です」
だが、何も特技がなくてもそれなりに稼げるジャンルがあるという。IT関係者が続けて明かすには、
「通話による『愚痴聞き』サービスです。ニーズは高いものの、本腰を入れ我慢して愚痴を聞く出品者が大幅に不足している印象です。ここを狙えば、時給3000円台で1カ月に30時間の稼働は現実的に狙えるラインですよ」
我慢強さも特技の一つなのであった。
(もとおり・ひろゆき)