4月7日の安倍総理による「緊急事態宣言」に誰よりも動揺を隠せないのが、対象となった7都府県の知事らだ。その周辺からは「阿鼻叫喚の絶叫」が聞こえてくる。
対象となったのは東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡の7都府県。だが、国内外、中でも海外メディアからは案の定、「遅きに失した」「まったく手ぬるい」、さらには「もはや手遅れ」との指摘も含め、厳しい批判の声が湧き起こった。
自民党の某有力派閥幹部もこう指摘する。
「安倍さんは『危機管理に強い』と言われてきたが、とんだ見込み違い。例のチンケな布マスクを配布すると意気込んで、アベノミクスならぬアベノマスクと揶揄されたのもしかり。そのあとに打ち上げた給付金についても、『即座に一律に』との経済専門家らの声を退け、しちめんどくさい条件をあれこれ付けてしまったものだから『ビンボー人の鼻ヅラにニンジンをぶら下げるだけの愚策』と陰口を叩かれているんだよ」
そして、またしても形ばかりの緊急事態宣言……。この派閥幹部はあきらめ顔でこう言い放つのだ。
「感染拡大防止の要となる休業要請とセットであるべき休業補償の一件も含め、要するに『なるべくカネは出したくない』というのが安倍さんのホンネ。恐らくは財務省あたりから入れ知恵されたんだろうが、こんな体たらくが続けば日本の経済も社会も本当にジ・エンドになっちまうよ」
だが、今回の緊急事態宣言で無能ぶりをさらけ出したのは「アベノマスク」だけではない。対象地域とされた都府県の知事らもまたしかり。中でも、首都を預かる小池百合子都知事については、「新型コロナ禍まで政治ショーにしてしまう恐ろしい女」との声も上がっている。
発端は「緊急事態宣言」発出の機先を制する形で開かれた4月6日夜の緊急記者会見。小池都知事はこの会見で都独自の緊急事態措置案を打ち上げてみせたが、小池氏の政治行動に詳しい自民党関係者は吐き捨てるようにこう断じるのだ。
「緊急会見は自分の存在感をアピールするための政治的パフォーマンスであり、背後には都知事としての無能ぶりをカモフラージュしたいとの意図が透けて見える。実際、一部のメディアから『なぜ安倍総理による宣言発出直前のタイミングでの緊急会見なのか』と突っ込まれた小池氏は、冷静さを装いながら『それはあなた方の主張だと承知しています』とやり返すのが精いっぱい。今年7月には都知事選を控えていますからね。痛いところを突かれた、ということですよ」
その後、国と東京都との間でモメにモメた休業要請対象施設の一件でもパフォーマンスは続いた。理容・美容店、百貨店、ホームセンター、質店などを対象施設にするか否かという「自粛要請業種の線引き問題」である。この自民党関係者が続けて断じる。
「結局、小池氏が国の方針を呑む形で騒動は決着したが、感染拡大防止の本質からすればいずれも些末な話であるうえに、今後、東京都が感染拡大防止に失敗したとしても、小池氏は『だから言わんこっちゃない』と言い訳できる。返す刀で、小池氏は休業要請に応じる施設への感染拡大防止協力金の創設を正式に表明したが、やむをえず営業を続ける隣接県の施設に東京都の客が流れ込むリスクがまったく考慮されていません」
こんな策略も見え隠れして、安倍総理とのコロナ緊急バトルはひとまず小池氏に軍配が上がったようにも見える。いずれにしても、東京都民がゴタゴタのツケを払うことになりそうだ。