「アップルストア」“中華圏は除外”の臨時休業に上がる戸惑いの声

 3月14日(日本時間)、米アップルは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中華圏(中国・香港・台湾)以外のアップルストア400店超を同月27日まで一時臨時休業すると発表。日本にある10店舗でも15日から休業がスタートし、一部では混乱も起き始めている。

「アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、中国で2月からアップルストアを一時閉店したことで感染が収束に向かったことを挙げ、『他の地域では感染が拡大しており、顧客を保護するため追加の措置を講じる』と説明しました。なお、中国では3月13日からストアを再オープンさせており、今回の措置からは除外されています」(ITジャーナリスト)

 日本での直営一号店となる「アップル銀座」では日曜から休業を実施したが、当日の銀座では歩行者天国が実施されており人足も多く、休業を知らない人が店内に入ろうとしてスタッフに止められるという姿も多く見られた。

 突然のアップルストア臨時休業にネット上では、《アップルストアはいつも人でごった返しているし、店員が客と接する時間も長いから仕方ない》とする意見もあったが、《iPhoneを修理に出そうと思ってたのに、27日まではダメなのか》《いまiPhoneが故障したら、しばらくスマホは使えないってこと?》など混乱の声も上がっている。なお、アップルは修理やサポートについては、公式サポートサイトか電話で問い合わせるように案内している。

「今回のアップルの措置に対しては、中華圏のみ除外することにもやはり多くの批判が寄せられています。中国では新型コロナへの新規感染者が7日間連続で50人を下回ったことで、中国メディアでは一斉に『収束に向かっている』ことを強調して報道しています。しかし、現時点で世界最多の感染者を出している中国が除外されるのは意味が分からないという見方も強く、ユーザーは戸惑うばかりです」(経済ジャーナリスト)

 新型コロナの影響が、生活用品ではない我々の思わぬ形で出た格好だ。

(小林洋三)

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