15年にMLBのゴールドグラブ賞を獲得し、ア・リーグ優勝決定シリーズのMVP、ワールドシリーズ制覇も経験したヤクルトのエスコバー(33)にも熱い注目が集まる。
「ロイヤルズ時代の同僚・青木が橋渡ししてチームにもなじんでいます。守備はやはり一級品、内野手初の日米ゴールデングラブ賞の獲得も期待されます」(ヤクルト担当記者)
間違いなく大物選手だが、伊原氏はこうも語る。
「ヤクルトのチーム事情を考えると、守備だけじゃなく打ってもらわないと困るでしょう。バレンティンに代わる4番としては、少し物足りなくも映りますね」
流出戦力の穴埋めはどのチームにとっても由々しき問題だ。しかし、リードオフマンの秋山翔吾(31)を失った西武は、ピンポイント補強がうまくハマッたよう。
「スパンジェンバーグ(28)は積極的に特打や特守の居残り練習をこなし、最後までグラウンドに残る選手たちと一緒にバスで帰る真面目な性格。俊足が売りで、全力疾走も怠りません。実戦でやみくもに振り回す外国人選手も多いですが、オープン戦初打席から3打席連続で四球を選んでいる。チーム事情に文句も言わずサードやレフトなど複数のポジションもこなしていて、同僚からも非常に評価の高い選手ですね」(パ・リーグ関係者)
格安選手がうれしい「大穴」だったというわけだ。広島の投手、DJ・ジョンソン(30)もそんな一人。
「昨季はホームの標高が高くボールがよく飛ぶロッキーズで中継ぎを務めながら、被本塁打率がきわめて低かった。本塁打の出にくいマツダスタジアムではさらに頼れるはず」(広島担当記者)
不調の中崎に代わる守護神候補にいち早く名乗りを上げた形だ。
悲願のAクラス復帰を目指す中日は、与田監督みずからドミニカウインターリーグでゴンサレス(28)を発掘。
「ヤンキースも欲しがったと言われる中、『日本に来ればレギュラーだ』と口説いたという速球派投手です。奪三振も多いが四球も多い。むしろ、育成契約のキューバ代表若手右腕・ロドリゲス(22)のほうが期待できそう」(球界関係者)
実際にキャンプでピッチングを確認した野村氏も同意する。
「真後ろから球筋を見ていたんですが、ストレートがナチュラルにカットぎみの変化をするんですよ。あれは打ちにくいはず。支配下登録は間違いない。おもしろい選手だと思います」
ペナントは真剣勝負だ。「出荷」される新助っ人の事前「検品」は怠れない。その活躍に、ひいきチームの浮沈がかかっているのだから。