この資格でナンボ稼げる?(54)飲食ビジネスでも役立つ「お肉検定」

「いきなり!ステーキ」「やっぱりステーキ」などに続いて、牛丼チェーン「松屋」を運営する松屋フーズが「ステーキ屋 松」で格安ステーキ業界に参入しましたが、昔に比べ、ステーキはずいぶん身近な食べ物になったものです。

 かくいう私も、お肉は大好物でして、カツやソーセージ、ベーコンなども大好きです。

 そこで今回、ご紹介するのは「お肉検定」。食肉の歴史、牛豚鶏のブランドや部位、そして調理のしかたに至るまで、幅広い知識が求められる検定です。

 それでは例題を見てみましょう。

〈問1〉昨年3月に総務省統計局が発表したランキングで、7年ぶりに一世帯あたりの鶏肉消費量日本一を奪還した都市は、①宮崎市、②福岡市、③大分市、④熊本市のうちどこ?

〈問2〉牛は4つの胃を持っていますが、その中で消化を行う機能がある胃は、①ミノ、②ハチノス、③センマイ、④ギアラのうちどれ?

 実際の問題は2者~5者択一式で出題されます。例題の答えは〈問1〉が③、〈問2〉が④となっています。

 試験区分は2級と1級があり、試験は札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の各会場で開催されます。

 私は1級に合格していますが、難易度はやや高めです。というのも出題範囲となる公式テキストがかなり分厚く、とにかく膨大な情報を覚えなければいけないからです。過去問が公開されていないため、出題傾向がつかめないのもハードルが高い理由の一つ。とにかく公式テキストを隅から隅までしっかり読み込む必要があります。

 さらに合格の確度を高めたいなら、例題のような消費量や生産量の「統計」に加え、1頭の動物からどのくらいの量の肉がとれるかを示す「歩留まり率」など、肉にまつわる数字全般も押さえておきましょう。

 この難関を突破したら「肉博士」の知識を日々の食生活に生かせるはず。

 例えば、ウインナーソーセージ、フランクフルトソーセージ、ボロニアソーセージには、それぞれ明確な定義があります。

 ウインナーは「羊腸を使用したもの、または製品の太さが20ミリ未満のもの」、フランクフルトは「豚の腸を使用したもの、または製品の太さが20ミリ以上36ミリ未満のもの」、ボロニアソーセージは「牛の腸を使用したもの、または製品の太さが36ミリ以上のもの」と決まっているのです。

 スーパーや精肉店で働く方が、自己啓発のために受験するケースは多いようですが、飲食ビジネスの起業を考えている方も取得しておいて損はないはず。

 珍しい品種や部位を使った新メニューのヒントになりますし、肉料理を提供する際、お客さんに「このお肉はどこの部位?」と聞かれてあたふたすることはないでしょう。

 味、健康、ビジネスにおいて、お肉は〝おいしい〟コンテンツなのです。

鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は600

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