この資格でナンボ稼げる?(53)意外に役立つ「名探偵コナン検定」

 25年以上も連載が続く原作コミックの発行部数は全世界で2億3000万部。「名探偵コナン」は、今や国民的マンガと言っていいでしょう。ファンの方にはぜひともチャレンジしてもらいたいのが、この「名探偵コナン検定」。作中に登場するキャラクターの名前やセリフなど幅広い知識が問われる検定です。

 それでは例題を見てみましょう。

〈問1〉主人公・江戸川コナンの代表的な決めセリフといえば、①「オレに解けないパズルはねぇ」、②「じっちゃんの名にかけて」、③「以上、証明終了です」、④「真実はいつもひとつ」のうちどれ?

〈問2〉工藤新一(江戸川コナン)の体を幼児化させた「黒の組織」のメンバーではないのは誰? ①ラム、②ギネス、③ジン、④ウォッカ

 実際の問題も選択式となっており、例題の答えは〈問1〉が④、〈問2〉が②となっています。

 昨年10月の第1回検定は3級のみでしたが、今後はそれより上の級の検定が行われる見通しです。

 3級といっても、ただ漠然と漫画を読んでいるだけでは解けない問題が多く出題されます。例えば漫画のシーンを古い順に並べ替えたり、漫画のコマのフキダシが空白になっていて、そこに当てはまる正しいセリフを選んだりします。

 この検定は、パソコンやスマホなどインターネットで受けるWEB試験。自宅などで受けることができるため、「カンニングし放題じゃないか」と思う読者もいるかもしれませんが、そう甘くはありません。

 コミックの巻数は、現在97巻。検定の出題数は60問。45分という限られた時間内に、膨大なページ数から全ての問題の正解を探し出すことは至難の業でしょう。

 私はこの受験をきっかけに、久しぶりに漫画を読み返したのですが、とにかくこの作品は勉強になります。

 例えば、作品には「bring it on!(かかってこい!)」といった英語がバンバン出てくるので、語学教材としての側面もあります。

 ビジネスに役立つ雑学も盛り込まれています。ある回では、ハーブを入れて紅茶の色を変えるというトリックが紹介されていました。このテクニックを応用すれば、カフェなどで「インスタ映え」する紅茶のメニューを提供することも可能でしょう。

 また、事件解決に向けてロジカルな思考に徹する主人公のコナンは、まさにビジネスパーソンの鑑。

 ロジカルシンキングは、平たくいえば経験則に頼らない思考法のこと。コナンは事件が起きるたびに、さまざまな手がかりから推理を重ねて犯人にたどりつきます。気づき力、分析力、情報整理力の全てが備わっているからこそ、真実を導き出せるのです。

 受験をきっかけに、コナンの思考法を身につければ、ビジネスでも大きな結果が出せるかもしれませんね。

鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は600

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